この人の閾 (新潮文庫)
作者 保坂 和志
価格 420 円
出版社名 新潮社
出版年月 1998/07
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    第113回 芥川賞   受賞
何故著者が小説家になったのかわかる気がした。冷静に考えると奇妙な世界でやりくりしている私たちはふと空いた時間には、思考を深めたりする。それはどこにもたどり着かないけど、ただその時には存在する。その人だけに。空間を共有するものとの間だけに。そんな時間を愛でるような小説です。晴れた日にビールを飲みながら是非。

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■読者の評価     おすすめ度平均

すごい       おすすめ度
 高橋源一郎も言っていたけれど、保坂和志の小説のスタンスというのは、『日常に隠されたものを再発見する』というものだ。
 こういう小説を読めば、それが非常によくわかる。日常に隠れているものを発見するのだから、ドラマティックなものはひとっつもいらない。何気ない会話、情景から意味未満のものを発見し、それを読者に投げかけてくる。たゆたう思考のような文体がそれを手助けし、読んでいて非常に気持ちがいいし、気になる。
 


ふと空いた時間に遠くを見て考えるようなこと       おすすめ度
何故著者が小説家になったのかわかる気がした。

冷静に考えると奇妙な世界でやりくりしている私たちは
ふと空いた時間には、思考を深めたりする。
それはどこにもたどり着かないけど、ただその時には
存在する。その人だけに。空間を共有するものとの間だけに。

そんな時間を愛でるような小説です。
晴れた日にビールを飲みながら是非。



この本を読んで、それから?(レビューを書く)       おすすめ度
この人の文章、読んですぐ気付くけど、カッコ書きが多いです(例えばこんな感じで)。
気にしないで『この人の閾』(表題作)を読み進めると、ストーリーが全く無い(言い切ってもいいでしょう)。

内容は、(ちょっと頭のいい人が)日常の中で色々考えて思い悩むことを、ちびちびと出している感じです。「言われてみればそうだ。あるある」と思えるネタばかりで、結構楽しませてくれます。

例えばある人がたくさん本を読んだとする。その人の中には多くの知識が蓄えられる。でも、それだけ。その人が死ねば知識も土に還る。つまり、ただ読むだけでなく、それによって得たものを活かし、何かを生み出したり創ったりしなければ、イミ無いのでは〜?

作中では、こういった疑問に明確な解答が示される訳ではないのですが、(まぁそこが良いのでしょう)。
だから、私はこうしてレビューを書いています(わざとカッコ書きの多い文章でお送りしました)。



とてもビジュアルな小説       おすすめ度
現代日本において家族が分断され、その構成員がそれぞれの生をこなしている様を、淡白に切り取って見せる「この人の閾」、東京西部の街の変遷をつづった「東京画」など4篇を収めています。不思議な文体で、とてもビジュアルに情景が描写されています。

読んでいるときの気分や体調、状況にも因るのでしょうが、急に忘れていた記憶が起き出して、色々な情景が目に浮かんでくる小説がありますが、この作品はまさにそれでした。一味違った東京を思い出させてくれる小説です。



日常生活の一こま       おすすめ度
「この人の閾」このタイトルに惹かれて買ってしまいました.日常生活の一こまを淡々とした語り口で綴った小説です。読後、とてもさわやかでのんびりとした気分にひたりました。