ブエノスアイレス午前零時
作者 藤沢 周
価格 1,050 円
出版社名 河出書房新社
出版年月 1998/08
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    第119回 芥川賞   受賞
場末の温泉旅館のダンスホール。老嬢と青年の孤独なタンゴに、幻滅とパッション、リリシズムと幻想が交錯する胸うつ名作。

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■読者の評価     おすすめ度平均

幻想的な世界       おすすめ度
芥川賞受賞作「ブエノスアイレス午前零時」と「屋上」の2作品を納めた本です。私としては「屋上」のほうが面白かったです。いづれの作品も自分自身の現状に納得していない30代の男性が主人公という共通点があります。そこから抜け出したいという気持ちが、いつの間にか幻想的な世界に引き込んでいくといった流れです。
作品としては面白いと思いますが、作者がこれによって何を訴えたかったのかが今一伝わってこない気がしました。


なんか、古臭い空気が       おすすめ度
 もちろんわざとなんだろうけどさ、もう何十年もまえの作品に思えてなんか不愉快。教科書とか、入試に出てきそうな話だなぁって思った。感想はそれだけ。


うーんイマイチ。。       おすすめ度
正直いって芥川賞をとるほどの作品かと言えば、そうではない気がする。
特に題名に騙されたという気持ちは払拭できない。

内容は前半から中盤にかけてが退屈で、
たったこれだけのページ数であるにもかかわらず一気に読もうとしなかった。
☆が二つなのは、ラスト10ページぐらいの表現は嫌いではないから。
それでも好きとは言えない。



ソフトボイルド。       おすすめ度
世の中に「ハードボイルド」という言葉がある。
男が男らしく、強く、モテモテな感じの奴だ。
この本の文面、作者の他の作品から判断するに、「ハード」とは行かないが「ソフト」位に止めたと思われる。

表題どおりの「ブエノスアイレス午前零時」。有名な旅行小説「深夜特急」のような、旅が舞台と思わせておきながら、実は日本の雪国にあるしがない旅館の従業員と上品な耄碌ばあちゃんのお話。
他に収録されているのは「屋上」。これはそのまんまで、デパートの屋上にあるさびれたゲーセン従業員のお話。

上記二つに共通するのは、
「どこかエリート意識を持ちつつ、冷めた視点で世の中を眺める男の主人公がいること。」
「情景描写が多いこと」
であろう。
影を背負っている男のイメージから来るのか、斜に構えた印象。文章のほとんどが、人物の特徴だったり独特の比喩。集中して一時間位かけ、ガッと読み通してしまえば面白いかも。



気品ある老嬢       おすすめ度
雪の深い田舎の旅館の疲れた男と、盲目の老嬢の交流。惹かれたのは、文章。題名がとても魅力的なので、それを意識して手に取った人はガッカリするかもしれない。雪国の寂れた温泉宿の、疲れた男と、中年老年の人々が中心の、華やかではない話だからだ。この文章の魅力は、高齢の女性を、上品、かつ官能的に描いた表現にあると思う。このように表現できるのか、と驚いた。彼女は、ここではない、どこかの、例えばブエノスアイレスのような異国の街の空気を、纏って現れる。その風景を、ダンスを通して、男は見るのだ。