思い川・枯木のある風景・蔵の中 (講談社文芸文庫)
作者 宇野 浩二
価格 1,155 円
出版社名 講談社
出版年月 1996/09
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    第2回 読売文学賞   受賞
芸妓村上八重と著者との30年にも及ぶ恋愛を題材に小説家牧と芸者三重次とが互いの人生の浮き沈みを越えて真摯な心を通わせ合った長い歳月の愛を独得の語りくちで描いた戦後の代表作

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■読者の評価     おすすめ度平均

宇野浩二の本領発揮       おすすめ度
宇野浩二は「小説の鬼」とまでいわれた作家であるが、
その饒舌体といわれる独特の文体はやさしく語りかける
ようである。

宇野は実際のモデルのある小説というか、他人の逸話を
小説に仕立てる技術において天才である。

ここにある「思ひ川」には直木三十五、芥川龍之介、宇野
本人が描かれている。直木をモデルにしたと思われる仲木
が借金取りを撃退する場面は実は宇野の友人である広津和
郎が実際に直木三十五の家で見た様子である。

「枯木のある風景」は鍋井克之と小出楢重という二人の洋
画家がモデルであり、「蔵の中」は近松秋江がモデルであ
る。

しかしながらモデルのあるなしは宇野の小説にとっての本
質ではなく、やはりその表現力の豊かさと人の心に機微が
どう描かれているかである。


思い川       おすすめ度
思い川は最高に良いです。

大正から昭和、そして、戦後まで、主人公の牧という作家と、芸妓の三重次との交流を描いています。

芥川竜之介こと有川辰太郎など、実際の現実とそう違わないことが書いてあるのだと思われます。実際に読んでみてほしい作品です。

枯木のある風景は、画家の話です。宇野浩二世代の作家は、特に絵画論に言及することが多いと思います。思い川ほど良いとは思いませんでした。