樹影 (講談社文芸文庫)
作者 佐多 稲子
価格 1,365 円
出版社名 講談社
出版年月 1988/02
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    第25回 野間文芸賞   受賞
被爆地長崎。敗戦後3年目の夏、華僑の女柳慶子と画家麻田晋は出遭った。原爆病に脅かされる二人はいたわり合い、自らの生を確かめるように愛し合い、十数年の苦痛の果てに死んで行った。著者の故郷長崎の、酷く理不尽な痛みを深い怒りと哀惜をこめて強靭に描く。原爆を告発した不朽の名作。

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■読者の評価     おすすめ度平均

人を想うことや理解すること       おすすめ度
現代小説の最高傑作の一つと思います。
前半では、行間から匂い立つような文章の中で、二人の人間が、それぞれの重荷を背負った人生を乗り越えて、お互いに惹かれあう様子が描かれていきます。そして、たがいに超えられない(超えようとしない?)壁が二人の心の間に存在することが見えてきます。人は、どこか最終的なところで孤独なのか、そう思わせる小説です。でも、たとえそうでも、人を想うことは無ではない、そうも感じられます。
人を想うこと、人を理解すること、喜びも哀しみも限界も希望もある、そんなことを考えさせられました。