作者 島尾 敏雄
価格 380 円
出版社名 新潮社
出版年月 1989/07
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    第38回 野間文芸賞   受賞
予備学生として魚雷艇の訓練を受け、のちに特攻志願が許されて震洋艇乗務に転じ、昭和19年11月、第18震洋特攻隊の指揮官として180余名の部下を引きつれ奄美諸島加計呂麻島の基地に向かう―。死の淵から奇蹟の生還をとげた著者が、悪夢のような苛烈な体験をもとに、軍隊内部の極限状況を緊迫した筆に描く。野間文芸賞、川端康成文学賞を受賞した戦争文学の名作。

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■読者の評価     おすすめ度平均

作家が好む作品       おすすめ度
島尾敏雄が亡くなった時、文芸雑誌各誌は、こぞって島尾敏雄追悼の特集をした。生前の島尾を知る作家や批評家の追悼エッセイを集めたわけである。そのかなりの数(10は軽く超えていた)の追悼文がそれぞれ、「私が一番好きな(評価する)島尾作品は」というような文脈で、作品名を挙げていた。私の記憶では、「死の棘」6票、「魚雷艇学生」7票、「夢の中での日常」2票、他1票の作品多数、といった感じだった。「死の棘」を選んでいたのは批評家たちで、「魚雷艇学生」を選んでいたのは作家たちだった。きっぱりと分かれたことが強く印象に残っている。「魚雷艇学生」の最後の短篇(章)を書き始めたところで島尾は亡くなったので、生前の構想が完結している作品ではないのだが、島尾は構想して書く作家ではないので、現状の形でも十二分に島尾文学の「文体」の切実さは味わえる。


日本文学の最高傑作のひとつ       おすすめ度
この繊細かつ微妙な言葉の呼吸にシンクロできる読者は、相当の読み手。
文章を味読できる人、「文学力」のある人だ。
駄文にまみれた生活を送っている人には、残念ながらこの凄みは分からぬだろう。