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■読者の評価
おすすめ度平均
うらやむ。 おすすめ度
螺旋にめぐり綴られる芥川の『舞踏会』。「し」という文字のフォルムのしとやかさにについて。
これほど日本文学に、日本語に、焦がれずにいられなかったことをただ羨んでしまった。
これほど日本文学に、日本語に、焦がれずにいられなかったことをただ羨んでしまった。
凡庸さが悪くない おすすめ度
書かれてある内容も文体も凡庸であるが、その凡庸さゆえに完璧な私小説のパスティーシュたりえていて実に精妙である。語り手の凡庸な妄執を淡々と書き連ねているとこなんざ、近松秋江の「黒髪」ばりではないか。ジャンル名や文学史上に屹立する絶対的固有名詞を自作の固有名(自作小説のタイトル)にする、いつもながらの戦略も悪くない。しかもたんなる私小説のパスティーシュにおさまることなく、きちんと「私小説」になってるところが、さらにすごい。
以上は長所で、これから欠点を述べたい。
以上の長所にもかかわらず、これはおそろしくつまらない「私小説」である。近松秋江の「黒髪」のように、どうでもよい話なのに、読者をドキドキさせてこそ「私小説」はその真価を発揮するのだが、本書には、そのドキドキ感が決定的に欠落している。それが今日的「私小説」なのだからと弁解することもできよう。いわゆるポストモダン的「私小説」なのだと。しかし、それではやはり語義矛盾なのだ。
結論として本書は失敗作である。所詮この才媛には読者をドキドキさせるような私生活はないのだ。
以上は長所で、これから欠点を述べたい。
以上の長所にもかかわらず、これはおそろしくつまらない「私小説」である。近松秋江の「黒髪」のように、どうでもよい話なのに、読者をドキドキさせてこそ「私小説」はその真価を発揮するのだが、本書には、そのドキドキ感が決定的に欠落している。それが今日的「私小説」なのだからと弁解することもできよう。いわゆるポストモダン的「私小説」なのだと。しかし、それではやはり語義矛盾なのだ。
結論として本書は失敗作である。所詮この才媛には読者をドキドキさせるような私生活はないのだ。
つまらない おすすめ度
物心つかないうちに外国(アメリカ)に来れば、アイデンティティに
苦しむのは想像がつきますが、この小説はそうした苦しみを共有する
姉妹のお喋りに終始していて、「こんなのを読者に読ませるかなあ」
と失望しました。
主人公はアメリカ名門大学の博士課程に在籍しているという設定です
が、学生生活の描写はあまりにお粗末なうえ(友人が口頭試問で発狂したと
かしないとか)、ほんとにこの主人公たちはアメリカで生活しているのかな、
と思うほど、風景とか生活の描写がありません。たまあにどうでもいい感じ
の写真が入るのですが、それらは「この写真で風景を想像しろ」とでもいう
ことなのでしょうか。
話が暗いうえに、世の中にはもっと優れた私小説がいくらでもあるで
しょうから、特にお買い求めになって読む必要はないでしょう。同じ
ような生育環境にある人は、読めば「ああ、私だけじゃないんだ」と
感じるところがあるかもしれませんので、星は2つにしておきますが、
それ以外でしたら、特に買って読むことはないと思います。
苦しむのは想像がつきますが、この小説はそうした苦しみを共有する
姉妹のお喋りに終始していて、「こんなのを読者に読ませるかなあ」
と失望しました。
主人公はアメリカ名門大学の博士課程に在籍しているという設定です
が、学生生活の描写はあまりにお粗末なうえ(友人が口頭試問で発狂したと
かしないとか)、ほんとにこの主人公たちはアメリカで生活しているのかな、
と思うほど、風景とか生活の描写がありません。たまあにどうでもいい感じ
の写真が入るのですが、それらは「この写真で風景を想像しろ」とでもいう
ことなのでしょうか。
話が暗いうえに、世の中にはもっと優れた私小説がいくらでもあるで
しょうから、特にお買い求めになって読む必要はないでしょう。同じ
ような生育環境にある人は、読めば「ああ、私だけじゃないんだ」と
感じるところがあるかもしれませんので、星は2つにしておきますが、
それ以外でしたら、特に買って読むことはないと思います。
母国語と”私” おすすめ度
言語と正面から向き合った帰国子女(?)ならでは、のお話。
水村美苗さんは、日、英、仏語いずれにも長けた羨むばかりの言語の才人らしい。
多言語に長けた人ゆえのアイデンティティーに係る苦悩。
彼女の象徴界を覗きたくなる。
水村美苗さんは、日、英、仏語いずれにも長けた羨むばかりの言語の才人らしい。
多言語に長けた人ゆえのアイデンティティーに係る苦悩。
彼女の象徴界を覗きたくなる。
私小説 おすすめ度
日本特有の私小説。今はほぼ壊滅近く書く人はほとんどいない(佐藤友哉がファウストなどで、それらしいものを連載していたが)。
だが、その根底を覆す傑作である。流暢で格調高い文章の中に、英語を織り交ぜ、さらには横書きであるというのに、どこまでも日本的な雰囲気が漂う奇跡的なできばえ。
アメリカ社会の中で日本語を求める私。確かに話の展開に激情も冒険もない。しかし、それでもページをめくる手がとまらないのは何故か。
それは、『私』という存在に僕自身が心からひきつけられていたからにほかならない。その筆力は稀有なもので、それはたとえば『本格小説』でも証明されている。
ただ、あまり売れなそうな小説である。横書きな上に英語が多発され、わからない人には苦しいだろう。もっと広く読まれてほしい作品だと思う。
だが、その根底を覆す傑作である。流暢で格調高い文章の中に、英語を織り交ぜ、さらには横書きであるというのに、どこまでも日本的な雰囲気が漂う奇跡的なできばえ。
アメリカ社会の中で日本語を求める私。確かに話の展開に激情も冒険もない。しかし、それでもページをめくる手がとまらないのは何故か。
それは、『私』という存在に僕自身が心からひきつけられていたからにほかならない。その筆力は稀有なもので、それはたとえば『本格小説』でも証明されている。
ただ、あまり売れなそうな小説である。横書きな上に英語が多発され、わからない人には苦しいだろう。もっと広く読まれてほしい作品だと思う。

