ヒナギクのお茶の場合
作者 多和田 葉子
価格 1,575 円
出版社名 新潮社
出版年月 2000/03
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    第28回 泉鏡花文学賞   受賞
緑色の髪の舞台美術家と小説家のわたし。二人の女の交友を描き、えもいわれぬ可笑しみを湛えた表題作。

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■読者の評価     おすすめ度平均

多和田葉子の文章は前へ前へと進み続ける       おすすめ度
多和田葉子の作品は前進するという動きを伴っているような
リズムを感じさせる。
たとえば、今作品集のなかで、列車に揺れながらパソコンで文章を書く
「わたし」が語る「枕木」。
あるいは、ちぎれたパンを拾った女に連れ回される、乳首に変身した
「(わたし)」が登場する「雲を拾う女」。
主人公や彼/彼女をとりまく人が移動するのと同時に
物語が進んでいくのだ。
98年に書かれた「飛魂」の読後感が、
中島敦の「山月記」を読んだときのそれと似通って感じられたのも、
やはり、登場人物が前へ前へと進んでいたからだ。
彼女の独特な文体、リズム感はこの作品集でも生き生きと感じられ、
また、リアルな描写の中にさりげなく、反リアリティが紛れ込む
不思議さすらもやはり健在。丸みを帯びた柔らかな文章が
多くうけいれられがちに感じる今の小説界だからこそ、
彼女の持つスクエアな雰囲気がかえって新鮮なのかもしれない