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■読者の評価
おすすめ度平均
追悼 おすすめ度
「文学界」に掲載された3つの短編を収める傑作。
表題作「駆ける少年」で第20回泉鏡花文学賞受賞。
故意かどうかは判らないが、3篇いずれも
生きている社会と何らかの軋轢を感じている男たちが、
過去の経緯を振り返ることにより
現在の自分の居所を再確認しようとする物語構成となっている。
表題作「駆ける少年」で第20回泉鏡花文学賞受賞。
故意かどうかは判らないが、3篇いずれも
生きている社会と何らかの軋轢を感じている男たちが、
過去の経緯を振り返ることにより
現在の自分の居所を再確認しようとする物語構成となっている。
圧巻はやはり「駆ける少年」。
作家鷺沢崩自らの父親像ともオーバーラップしながら
倒産の危機にある青年実業家が
やはりベンチャーの旗手であった父親の足跡を辿る物語である。
社会という魔物に対し、歴史的経緯という縦糸を織り込むことで
個人の抱えるモンダイから、彼女のベースにある家族のモンダイへと
ストーリーを深化させていく構成は見事である。
荒削りな箇所はないとは言えない。
しかし20才そこそこにしてこの境地に辿り着いた
早熟な天才の夭折が残念でならない珠玉である。
