ムーンライト・シャドウ
作者 よしもと ばなな
価格 1,344 円
出版社名 朝日出版社
出版年月 2003/06/12
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    第16回 泉鏡花文学賞   受賞
愛する人との出会い、そして永遠の別れ。味わったことのない孤独、底なしの喪失感に苦しむ主人公は、未来に向かって歩き出す。

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■読者の評価     おすすめ度平均

最後の言葉に涙が・・・       おすすめ度
交通事故で突然恋人を亡くした女性の悲しみと、立ち直るまでを描いたストーリー。
涙無しでは読めませんでした・・・。

私はまだ大切な人と死別したことはありませんが、「本当はしたいことなんて何一つありはしない。」会いたい。
これが大切な人を亡くした人の共通の思いなのではないでしょうか。

でもそれは決してもう叶う事の無いことだから、願う事はあまりにも悲しい。そして生きている人たちは、生きて行かなければいけない。

最後の「私はもうここにはいられない。刻々と足を進める。それはとめることのできない時間の流れだから仕方がない。私は行きます。」
本当にこの通りだと思います。生きている人たちは生きて楽しい思いをしたり、幸せになることができるけど、その代わりに止まることの無い時の中を生きて行かなければならない。どんなに辛くても。
最後のさつきのこの言葉は涙無くては読めません。


手離せない一冊です       おすすめ度
特別な絆で結ばれたふたりの片方が死んでしまったとき、こちら側に残った者の再生の方法については、ひととおりではないし、百通りの方法でもカバーすることはできない。
しかし、わかっていることがある。 それは生者は死者と手を取りあって生きることはできないということだ。
二ヶ月前に交通事故で恋人を失った さつきが、苦しみながら「長いトンネル」を抜け出そうとし、あるできごとを体験することによって、そのきっかけをつかむ。
ストーリーはこれだけなのだが、実際に読んでみると深く強く感動する。
わたしはいい歳をして、あられもなく泣いてしまった。
ばななが若いときに書いたものなので幼稚な表現もあるし、こなれていないところも目につくのだが、若いときにしかない強い輝きがあった。


切なく優しい話です       おすすめ度
恋人の死から立ち直れないでいる大学生。
兄と彼女を失ったその恋人の弟。
たとえ大切な人の死に直面しても、残された人はただ前を向いて生きていくしかない。
切なく、優しい話です。


絶望の中の光       おすすめ度
これは・・涙なくしては読めません(T_T)

愛する恋人を事故で失った主人公の心が痛すぎて・・。
愛する人を不慮の事故で突然失う。
普通は経験しなくてもよいこと・・の1つにあげられるだろう、悲劇。
愛する人をおいて旅立ってしまった者、
そしてこの世界にとり残された者の、悲しみ、絶望・・。

でも、残された人だって、
この世界で肉体と魂を持って生きてる限り、
その現実から逃げ出すわけにはいかない。
自分までが幽霊になっていいわけじゃない。
ちゃんと自分の人生を自分の足で歩いてゆかねばならないのだ。

人間なんて、文明の利器を操ってこの世界を支配してるような顔してたって、
ほんとうはちっぽけで弱くて脆いものなのだ。
ちょっと転んだだけでも
あっけなく死んでしまったりする。
苦悩や悲しみにつぶされてしまったりもする。

でも、それと同時に、
そんな逆境に立ち向かう強さも
体の奥底にはちゃんと秘めているのだ。

私はもちろんそんなたいへんな経験をしたことがないから知りえないけれども、
順序をまちがえず、段階を経てゆけば、
人の心はちゃんと再生できる・・大丈夫な状態にまで回復するんだろうと思う。
生物としての人間が生まれつき持ってる「生命力」ってものは、
その人がちゃんとその人自身である限りは、
どんなことがあっても消えたりはしないのだろう。

それにしてもばななさん、すばらしい描写力!
ここまで主人公の痛みがダイレクトに突き刺さってくるなんて・・!!
疑似体験してるみたいになるよ。。(T_T)(T_T)

絶望の中にもほのかな光が見える。
生きてることに感謝したくなるような。
悲劇だけど・・とても好きなおはなしです。


人間の弱さと強さとたくましさ       おすすめ度
〜この作品は、吉本ばななさんの大学時代の「卒業論文」らしいです。
大切な人の死に対して、どんどん弱っていってしまうけれど、まわりの生きている人達と生きていかなければならない。
そうやって過ごして行くうちに、少しずつ少しずつ人生の明るさ楽しさを感じて生きて行く。
人間はどんな辛い事でもいつか忘却していく生き物。
そういった人の強さとた〜〜くましさを感じ、
そして、だからこそ今を、一緒に過ごしている人との時間を大切にしようと思えます。〜