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???好きでもないクラスメートの佐野明彦となぜか「やっちゃった」アイコは「自尊心」を傷つけられて、佐野の顔面に蹴りを入れ、ホテルから逃げ出す。翌日、佐野との一件で同級生たちにシメられそうになるアイコだが、逆に相手をボコって、佐野が失踪したことを知らされる。佐野の自宅には切断された指が送られてきたという。アイコは、思いを寄せる金田陽治とともに、佐野の行方を追うが…。
???同級生の誘拐事件、幼児3人をバラバラにした「グルグル魔人」、中学生を標的とした暴動「アルマゲドン」。謎の男・桜月淡雪、ハデブラ村に住む少女・シャスティン、グッチ裕三に石原慎太郎。暴力的でグロテスクな事件とキャラクターたちが交錯する中を全力疾走するアイコの物語からは、限りなくピュアなラブ・ストーリーが垣間見えてくる。純文学やミステリーといったジャンルを遥かに飛びこえた、文学そのものの持つパワーと可能性を存分に味わっていただきたい。(中島正敏)
某巨大掲示板のことを「便所の落書き」と言った人がいましたが、その巨大掲示板は便所の落書きの「集積」とも言えるでしょう。バラバラにされた子どもの体の集積である「森の怪物」のように、それ自体がまるで意志をもって暴れまわるような存在です。
ネット時代の新しい神、あるいは神への発展途上にある存在、がテーマなのではないでしょうか。某掲示板しかり、おそらくアイコしかり。
私にとっては初舞城でしたが、饒舌でグイグイ引きこまれる文体、隋所にちりばめられた笑えるネタの数々など、ほかの作品も読んでみたいと思わせる作家さんです。
この神の神秘性は童話的な夢の中に限られる。行動している人間のモノローグに滲む彼らの神はどこまでも稚拙で薄汚く、卑しくも近しい。
人の寄せ集めというイメージと、正邪両面のイメージ。阿修羅というモチーフは、だから必然なのだ。英題は、Asura-Girl in Love。邪悪な寄せ集めの神としての阿修羅少女が、お釈迦様としての男の子に恋をして、良い神様になる話。でもそれは良い神様になりたかったからなったのであって、仏様が自分を罰して良い方向に導いたわけじゃないんだ、と舞城王太郎は書いている。たぶん。
表面的には見えないかもしれないが、この作家は、書きながら非常に悩んでいる印象を受けた。口語の使用や価値観の表出の仕方など、確かに意図も意識も持ってやっているのだろうが、それさえもどこかで迷っているような、そしてその迷いを勢いで押し切ろうとしているような感じを受けた。その点も含めて良い作品だ。
ハードカバーの表紙の方が好み。何でこのまま文庫本化しなかったんだろ。ちと残念。まあそれは良いとして、舞城王太郎初読み!すごい世界観ですね。面白かったです。第二部「三門《森》」にて作家としての実力も垣間見れた。冒頭文での掴みもオッケー。「減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。私の自尊心。返せ。」
この作品の世界観や現代語文章についてこれないひとは結構多いと思う。「はあ?」「なんだこりゃ。」と思わされること多数回。好き放題書いてるなあ。この奔放さ、独創力には嘆息した。
登場人物とモノの考え方で合わない、というかむしろ腹が立つところもあったのだけど、それは「現代の女子高生」を書いてるってことになるのかな。ならんか。
三島由紀夫賞受賞作。
そのじつ古典的で端正な文章も書けますよというあたりが、
この作者の強みなんだろうと思うが、
ストーリ−上は強引過ぎる展開がやや目についた。
冒頭に登場する「佐野」が行方不明となり、
その後、足指が送りつけられるのだが、
誰が何の目的でそんなことをしたのかは一切語られず、
途中からはその謎の解明もどこかに吹っ飛んでしまう。
焦点は主人公の「臨死体験」のほうに移っていくが、
後半に挿入されるホラーもなんだか薄っぺらだし、
最後になって唐突に語られる死生観も底が浅く、
取ってつけたようなハッピーエンディングになっている。
正直、三島賞の対象になるほどの作品とは思えなかった。

