おぱらばん
作者 堀江 敏幸
価格 1,995 円
出版社名 青土社
出版年月 1998/07
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    第12回 三島由紀夫賞   受賞
変貌するパリとその郊外で暮らす移民たち、ディアスポラ状況にある居留者たちに澄んだ眼差しを注ぎ、磨きぬかれた文体で描かれた、もうひとつのパリの相貌。

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■読者の評価     おすすめ度平均

言葉が大好きな人に       おすすめ度
少し前に、「そう、おぱらばんに!」おぱらばんって何?と思いながら、読んだ本です。
フランス、パリのことが書いてありますが、そして著者が「フランスのこと」を書こうとしていたかどうかはわかりませんが、私は「フランスのことを読んでいる」と思わずに、ただ楽しく読みふけりました。小説のようでもあり、(いわゆる)エッセイのようでもあり、ときどき評論のようでもあります。
本を読むのが好きで、外国語を勉強するのが、文法とかも嫌いじゃなくて、母語以外の文化圏で何かを理解しようとするってどういうことなんだろう?などと考えるのが好きな方にお薦めします。


風景が浮かんで消えてゆく       おすすめ度
一節を読むごとに風景や空気感まで立ち上っていく随筆集です。いつものことながら文章の旨さが際立っています。行った事がないフランスに堀江さんの文章と一緒に旅しているような錯覚にとらわれます。すごいことだと思います。
幻想的な『貯水池のステンドグラス』に興味をそそられました。『のぼりとのスナフキン』も登戸をちょっと知っているわたしにとって、興味深いものがありました。


素晴らしい!       おすすめ度
短編集というか、エッセィというか、散文というかは、作者本人にも特にジャンル分けを意識して書いていないと思われす。読まれた方それぞれが判断すれば良いかと。

しかし短編一つ一つが素晴らしい出来です、きっといつかまた読み返したくなるそんな作品ばかりです。

表題作の「おぱらばん」も一体どんな意味の何の言葉なのかはあっと言う間に分かる、そこまで読めば何と言う事も無い不思議な響きの言葉が、短編を読み終わると、その言葉がひどく愛らしくまるで手の中に納まった子猫の様に感じられます。

その他にも単館上映されている映画のタイトルの様な作品名の「留守番電話の詩人」(この話しはかなり好きです!いくつもの全く関係の無い小さな流れが絶妙の関係で合流してこのタイトルの元へと流れ込んできます!最高です)、視覚的広がりと美しさを連想させるタイトルの「貯水池のステンドグラス」(私にとってのベスト1です!ゲラシム・リュカ、いつか読んでみたいです)、タイトルから想像していたカラミになっていったにも係わらずさらに深い仕掛けと繋がりを与えられた「黄色い部屋の謎」、等どの作品も素晴らしいです!


パリを取り上げた折り目正しいエッセイ集       おすすめ度
「おぱらばん」は,パリにいる中国人が発する「Auparavant」である。パリ市内で暮らし,様々な人々との接触をきっかけに,市民生活から社会問題までをとりあげ,小説,絵画,音楽を語るというエッセイ集である。ともかく文章がうまい。パリの風景の描写が素晴らしいだけでなく,重層的な内容を極めて明晰に語ることのできる文体である。