はじまらないティータイム
作者 原田 ひ香
価格 1,365 円
出版社名 集英社
出版年月 2008/01/05
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    第31回 すばる文学賞   受賞
甥っ子の博昭が「できちゃった不倫婚」! ミツエは元妻・佐智子を心配して訪ねるが、 離婚のショックで彼女が「奇妙な行動」を とっていることを知る。 博昭の新妻はミツエの娘に近づき、事態は複雑に…… 第31回 すばる文学賞受賞作

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■読者の評価     おすすめ度平均

隣の席の噂話を聞くように       おすすめ度
必死であの手この手を使って不倫略奪結婚をした女(最終手段は妊娠)。

そこそこキレイで頭も良いのに、夫を盗られ、追い出されるように離婚した女。

そんな慌しい離婚→再婚劇を演じた男のイトコで、既婚子供無しの女。

その女の母親で、甥っ子の不倫が許せず、別れたほうの妻に肩入れする女。


という、ドロドロにならなきゃ変でしょう!的な割と派手な人物配置を
しつつ、描写は体温とかにおいとかデティールに重きを置いた地道系の小説。
略奪結婚した女と向かい合い、イトコが彼女を前の妻と比べて
観察する描写がすごい。
「太い指に結婚指環が食い込んでいて毛まで生えている。なぜ
こんな女と?と思った」みたいなフレーズ。美人とか不細工とかやせてるとか
太ってる、じゃなくて、指毛レベルの観察をしてしまうあたり、
女って怖いと思う。確かに、略奪愛を成功させた女、というと、
つい活字で読んでいても華のある美女を連想してしまいがちですが、リアルな
一般人の世界だと、そういう「女の人としてどうよ」的な人が
すごいことをやったりするよなーとか納得できてしまうリアリティ。
こういう小説は、よくも悪くも30歳を過ぎてちょっとイジワルになった
女性じゃないとかけないなーと作者や作中の観察者的ポジションにいる
女性キャラと同年代の私は思った。

キャラに感情移入するとかドラマティックな展開にどきどきするとか
感動して涙が止まらない、という類の小説ではないけれど、自分の
半径500m範囲くらいでこういうことが起こってるかも、という
ちょっとした箱庭感が下世話で楽しかった。


男の匂いがしない女の幸福探し       おすすめ度
世代の異なる4人の女たちが繰り広げる世界は、男の匂いが全くしない。
女にとって結婚とは何なのか、世間から見た結婚というゴールは女にとってゴールではない。
不倫の果てに妊娠して結婚にごぎつけた努力を信条とする里美。
その里美に夫を寝とられた佐智子。
里美と佐智子の夫である博昭の親戚ミツエとその娘奈都子。
近親者で構成されたありふれた題材ながら、佐智子の妙な癖の挿入でラストまで物語を惹きつける。が、読後の感想は拍子ぬけした。
結局女の幸福探しは、もう飽きてきたのかも。


すばる文学賞受賞作・・・       おすすめ度
できちゃった結婚をきっかけに、繋がった4人の女性達。妊娠して略奪した愛人、離婚後『奇妙な行動に走る』夫を奪われた女、離婚に携わってしまった親戚の叔母さんに、結婚をしているのに子供が出来ない娘。

うまい具合に四角関係が出来て、設定を頑張ったのかもしれないけれど、いまいち登場人物が不鮮明で、みんな棒のように喋ってるのっぺらぼうにしか浮かんでこなかった。セリフも不自然。
バトンタッチのように全員分の目線から描かれているけど、特に誰かに感情移入をすることも出来ず、それどころか登場人物の説明もしくは設定が浅すぎて、誰にも思い入れどころか、興味も抱けなかった。
そして、展開もあまりに不自然すぎ。ストーリーありきな感じがして、どうして彼女があんな行動を? という疑問も残った。
読み終わって「結局何だったんだ?」っていう感想しか残らなかった。
軽い、薄い、浅い。といった感じ。
ガーリーなイメージの表紙と、中身がかち合ってません。


どうして女ってこうなんだろう。       おすすめ度
主な登場人物は4人の女性。奈都子,佐智子,里美,ミツエ。
奈都子は三十過ぎて結婚し,結婚6年目で子供なし。
佐智子は奈都子の従弟の元妻。離婚後,奇妙な行動癖が再発。
里美は佐智子の夫と不倫の末,できちゃった婚。友達なし。
ミツエは奈都子の母親。夫は保険会社の元重役。離婚した親戚の佐智子のことが心配。

年齢や生活環境が異なる4人に対して,自分が「女」だからか,
それぞれに共感する部分がありました。どうして女ってこうなんだろう。
子供を産むことへのこだわり,友達との関係,妙なところで心配症,
ときに社会性に欠ける部分,母親との微妙な関係など。

また存在は薄いですが,登場してくる男性3人,
ミツエの夫,佐智子の元夫(里美の夫),奈都子の夫に対して,
どうして男ってこうなんだろう,とあきれる部分あり
でも,ときに鋭い視点ありと
こちらにも共感する部分がありました。