贋作『坊っちゃん』殺人事件
作者 柳 広司
価格 1,575 円
出版社名 朝日新聞社
出版年月 2001/09
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    第12回 朝日新人文学賞   受賞
「坊っちゃん」の裏に浮かぶもう一つの物語。 東京に帰った「坊っちゃん」は、山嵐に赤シャツの自殺を知らされ、再び松山へ。そしてもう一つの物語が明らかになる。漱石の作品世界を再構築した物語。

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■読者の評価     おすすめ度平均

漱石もこうした推理小説を書いていたかも       おすすめ度
 周知のごとく漱石は推理小説という形式に強い関心があり、その関心が『こころ』、『彼岸杉まで』などに色濃く反映されている。この作者の文体が漱石のそれを上手に取り入れているため、これが漱石本人の作といってもそう違和感を抱くことはないだろう。『はじまりの島』では『種の起源』出版当時の社会の雰囲気が実によく描出されていたが、本書でも殺人事件と当時の社会風潮の関係が立体的に描き出されており、読み終わると当時の社会に関する造詣が深くなることが本書を読む際の副産物となる。


じーんときます       おすすめ度
この作者の作品は最初に読んだのは『はじまりの島』。非常に面白かったので興味を持ち、このデビュー作『贋作「坊ちゃん」殺人事件』を読んだ。

まず、言うまでもないことだが元祖『坊ちゃん』を見事に自分のものにしているため、1ページ目からスッと漱石の世界に引き込まれる。物語は「坊ちゃん」のその後。最初は漱石文体、漱石の世界を使った普通の推理小説と思わせるのだが、いつの間にやら作者独特の重厚な仕掛けにハマっている。元祖『坊ちゃん』自体にも当時の世相が反映されてはいるがあくまでも背景なのに対し、この「本歌取り」作品では当時の政治状況が事件の重要なカギになっている。事件の本質が表れてくるにつれ、作者が坊ちゃんの中に読み取ったある性質が明らかにされるが、これにはなるほどと思わせられるものがあった。読み終わってじんとした。『はじまりの島』も、一見ダーウィンが探偵役というだけの推理小説かと思いきや、実に壮大なテーマにつながっていくなど、この作者の作品は非常に奥が深いのだ。
変な話だが、これを読んでもう一度『坊ちゃん』を読み直そうかと思った。絶対に、見方が変わってしまうはず。



贋作『坊っちゃん』殺人事件       おすすめ度
夏目漱石のおなじみの小説坊ちゃんの文体と登場人物もさながらのミステリー仕立てです。主人公坊ちゃんの気質もひょうひょうとしていて笑えます!山嵐、赤シャツ、野だ
マドンナ、それぞれが繰り広げる展開はとても興味あるものになっています。漱石版とくらべてみては?