虹の彼方
作者 小池 真理子
価格 1,890 円
出版社名 毎日新聞社
出版年月 2006/04/27
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    第19回 柴田錬三郎賞   受賞
恋愛小説の最高峰。『恋』『欲望』にならぶ、小池文学の代表作が誕生! どうすればいい。あなたをこんなに愛してしまった――女優・高木志摩子(48)と、 作家・奥平正臣(43)がおちた恋。それは、とどまることのない恋だった。あらゆ るしがらみから、あらゆる道徳から、背を向けた「抗う恋」の行く先は? 恋は、 いっときの夢まぼろしと人は言う。しかし人は恋におち、もがきながらも、 一条の光を求めてゆく。小池真理子が描く、脈動する<希望>の物語。 駆け抜ける1052枚。恋愛小説の最高峰!

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■読者の評価     おすすめ度平均

小池真理子の良さが出ていない       おすすめ度
残念ながら、本書は駄作だと思った。
主人公の二人は容姿が良く、女優と作家という一面では秀でた才能を持つものの、
人間としての魅力が全く感じられない。
まるで割れ鍋に綴じ蓋って感じの二人。そんな主人公たちに感情移入なんて出来ません。
これ、毎日新聞の連載だったから時間に追われたやっつけ仕事だったんだろうかとさえ思います。
小池真理子を初めて読む、という方には絶対にお薦めしない1冊です。



なんか悲しい。       おすすめ度
遅ればせながら小池真理子さんのファンになったのが6年前。
初めて読んだのは、「懐かしい骨」でした。
それからいろんな作品をむさぼるように読みました。

「恋」「無伴奏」など、恋愛小説なのか、
ミステリーなのかを分類できない作品たちを、
本当にため息混じりで読んできました。
一ページ目から全体に漂ってくる、おごそかで、
潔くて、崇高な、そして切ない。
そんな何とも言えない雰囲気が大好きでした。

でも最近は、登場人物に偏りが多く、
私小説?と思うものばかりです。
今回は特にその色が濃いと思います。
何となく、作者の願望ばかりが描かれているようで、
最後まで、志摩子をはじめとする登場人物に、
気持ちをリンクすることが出来ませんでした。




期待はずれ       おすすめ度
小池真理子の小説に必ず出てくるテーマが死と恋愛(不倫)。
そんな非日常(?)のテーマにグイグイ引き込まれるには、ごくごくありきたりの日常の中でこれらが語られてこそ。女優と小説家という設定にどうも違和感を感じます。それだけで、恋愛が遠い世界のものに感じてしまう。

今回は上海が出てくる。でも、その扱いがなんとも中途半端。
「魔都」と称され、レトロとモダンの混在するこの街の混沌、無秩序が二人の取った比道徳的な逃避行と重なるが、もっともっとそれを強烈に前面に押し出して描いて欲しかった。
何となく、上海の描き方が中途半端で、上海を舞台とした意味が無い。

それでも、道ならぬ恋の哀しさ、切なさの表現においては、さすが小池真理子です。
あまりに哀しく、切ない心理描写は彼女ならではです。
小池真理子にしか表現できない恋、この小説でもそれは健在です。
ただ、中途半端すぎて惜しい。
ひょっとして手抜き と、すら思えてしまうのは私だけ。


ありえない空虚な話       おすすめ度
小説だからもともとフィクションですが。
主人公は男性が作家43歳、女性が女優49歳。
二人とも結婚しているのでダブル不倫。
確かにストーリーは流れるように進みますが、結末は平凡というか、がっかり。
まだ「愛の流刑地」のほうが最後まできちんと描いていて面白いです。


いいじゃない、いいよこれは...       おすすめ度
とりあえず、私は、著者と年齢が同じである。初めて読んだ小池真理子の作品は随分前に刊行された「プワゾンの匂う女」、一昨年、十朱幸代主演で舞台化されたので懐かしさもあって観劇した。まだ、その作品には濃密な「恋」の予感はなかった。「虹の彼方」の装丁のライトブルーは、どういう意図があるのかはわからない。作品のテーマのどの部分が「虹」なのかもわからない。流麗な高木志摩子を著者に置き換えてみるには、ちとむりがあるかもしれない。言うに及ばず当方も正臣には到底なれない。が、著者と2人きりで話をしたら、恋多き女に変身した著者と真正面に対峙できる自信はある。

読んでみるべし。濃密な「恋」という愛がある。