作者 天童 荒太
価格 2,415 円
出版社名 新潮社
出版年月 1995/11
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    第9回 山本周五郎賞   受賞
脂肪にぎらつくナイフが、肉親を生きながら裂いてゆく。血の海に沈んだ家族がまたひとつ。常軌を逸した連続大量殺人の裏に「愛の病理」が…。精神医学の先端を極めた著者が展開する美しき地獄絵サスペンス。

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■読者の評価     おすすめ度平均

家族とは・・・・       おすすめ度
独身、両親と同居、と未成年時代とあまり変わらぬ環境にいる自分にとって、到底他人事のようには思えなかった。登場人物それぞれの不幸な生い立ちが非常に良く書かれていて、特に、大野夫婦に対してはかなりの感情移入をしてしまった。逆に、浚介、游子、馬見原らに対してはその行動にあまり共感を持てなかったが。まるで見てきたかのような凄惨な描写も含め、サスペンスとしても上級。両親と同居している独身者、特に両親との関係がうまくいってない人に強くお勧めする。


荒々しい天童荒太       おすすめ度
今まで著者の作品は「永遠の仔」と「あふれた愛」しか読んだことがなく、読む前は「家族狩り」も前述の作品と似たイメージでとらえていたのですが、まったく違いました。家族の問題を扱ってる点では同じなのですが、「家族狩り」は内容も描写もとにかくハードで痛い。著者の荒々しい一面を見たような気がしました。



家族       おすすめ度
天童荒太さんは、普通の家庭に育ったような気がします。それなのに砂の城のようにある日何かがきっかけで壊れてい家庭を見てきたかのように書き表すところがすごいなと思います。初めから終わりまで幸せで暖かな家庭を誰しもが望むはずなのにそうはいかないところに人間のもろさがあるのでしょうか?隣の家の事として読まないほうがいいかも知れません。


「家族」とは?       おすすめ度
作者にとんでもなく重い荷物を持たされたような感じがする。問いかけても問いかけても、決して正確な答えなど出てはこない。
「家族とは?」
相手をどんなに愛していても、それがうまく伝わらないときもある。声をかけてもらいたくてもかけてもらえず、寂しさに震えるときもある。家族の心がうまくかみ合わないときに、悲劇は起こる。誰もがいつも、誰かから気にかけていてもらいたいと思っている。自分が必要な存在だと思われたいと願っている。家庭が、傷ついた心を癒せる場でなくてはならない。家族が、その人にとってかけがえのない存在でなくてはならない。
今こうしている間にも、どこかでこの本に描かれているような悲劇が、起こっているかもしれない。できれば、そういう悲劇が一つでも減るようにと祈りたい。


永遠のテーマ、家族とは。       おすすめ度
 はたしてこれはミステリーかと言われれば、ミステリーではないでしょう。謎解きと言うよりは、小さな点が徐々につながり、一本の線につながっていくと言う展開で、なかなか面白いのですが、意外性は無くオーソドックスなプロットです。しかしこの作者の作品に言える事は謎解きなんて陳腐なものは著者の作品には不要だと言う事。これほどまでに徹底的に描きこまれる登場人物達の心理描写は凄いの一言。この作法が進化してたどり着いたのが氏の傑作「永遠の仔」。まさに人物を読ませる作家でしょう。
 文体も非常に読みやすく、かなりの長編ですが、面白さゆえ、気にはならないでしょう。
 少し過激な描写があり人によっては拒否反応がある場面もあります。テーマ自体も家族の崩壊とやや深刻な問題なので、多少は覚悟して読む心構えが必要だとは思います。ラストは再生のハッピーエンドには違いないのですが、最後のワンカットで心に重くのしかかる台詞を残すのが印象的。読後にいろいろと考える事を促す作品でしょう。