泳ぐのに、安全でも適切でもありません
作者 江國 香織
価格 1,365 円
出版社名 ホーム社
出版年月 2002/03
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    第15回 山本周五郎賞   受賞
愛を通して人生を切りとる傑作短篇集。 安全でも適切でもない人生の中で、愛にだけは躊躇わない・あるいは躊躇わなかった・・10人の女たち。愛することの喜び、苦悩、不毛……。

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■読者の評価     おすすめ度平均

いつもとちょっと違う・・・       おすすめ度

人生とは、泳ぐのに安全でも適切でもないよってのが主題の10の短編

いつもの江國さんの透明感溢れる世界とは、微妙に感じが違い、

ちょっと生々しくて、重苦しかったかな。

それはそれでと思いつつも、私としてはちょっとなぁ。。。って感じでした。



泳ぐのに、安全でも適切でもありません       おすすめ度
短編集は苦手だがこれは作者の多才さが感じられて面白かった。
全ての話しが全く異なるムードを持っていて別々の人が書いたかのようだった。


丁寧で芳醇な短編たち       おすすめ度
文章の端々から香りたつ恋人たちの想い
こうばしい料理を舌の上でゆっくりと味わうように、ひとつひとつの短編を味わいたくなる。
世に万葉の花が咲くように、世の中にはいろんな恋人たちがいるのに、どの恋も、まったく別もの。
なのに江國さんのこの本は『この人たちはみな恋をしているのだなぁ』と読者に感じ取らせ、
その恋の風味が詰まった料理を、小さく手の込んだ器(短編)によそってくれる
みんな時間をかけて『たんとおあがろう』


短編小説の快楽       おすすめ度
それぞれの話の主人公は皆いわゆる(大嫌いな言葉ですが)負け犬の女性だと思います。
でも江国さんの切り取った、
そのような女性たちの人生のなんと鮮やかなことか。

不倫であったり冷め切った関係であったり、
男女の仲も人生も何かとしんどい局面があるもんですが、
そんな局面でこそ我々の生は輝いているのかもしれません。
ひさびさに読んでいて気持ちのいい本でした。


表現が上手ですね       おすすめ度
初めて江国さんの本を読みました。物語のモチーフはすべて、非現実性を帯びていると思いますが、細かい表現力には驚きました。決して重苦しくならず、それでいて端的にシャキッとした表現が随所に出てきます。

私は紀行文を時々書きますが、江国さんの文章は参考になりそうです。表現力向上のために読んでみるのも良いかもしれません。

《お気に入り表現》
無職で酒飲みで散らかし屋で甘ったれの男
しわの刻まれた硬い顔
邪気なくうなずく
素晴らしい思いつき
頬が上気している
夕方から夜に色を変え
つまり、そういうことだ
人生の彩のために
結局、そういうことになった
空気はどこもかしこもうす青く
偶然と必然のねじれた形
閑散というより荒涼とした
心許なげに
古いものにはかけがいのない、揺るぎない美しさがある
猫同士みたいに微笑があった
大切なのは快適に暮らすことと、習慣を守ることだ