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■読者の評価
おすすめ度平均
夢と魔術が織り成す妖しい世界を堪能できる おすすめ度
全部読み返しても、この本のどこまで本当でどこまで嘘なのか境界が定かでない、実に不思議な物語だ。著者のもっともらしい後書を読んでもよくわからない。著者によればこの本はサウジアラビアの本屋で偶然購入した英語版(原題:The Arabian Nightbreeds)を和訳したものということなのだが、確かにそれらしい内容になっている。
本書自体の内容もまた、ナポレオン率いるフランス軍がエジプトに侵攻する直前のカイロを舞台に、「夜の種族」が語る物語を一冊の本に書きとめることが主題となっており、なかなか複雑な構成になっている。
本書のメインストーリーは「夜の種族」が語る物語であるが、実に壮大な内容で、一人目の主人公である醜い王子のアーダムが、策略をめぐらせながら異教徒の国に侵入し、邪神の女神から魔術を授けられ人類最高の魔術師になる第一章、それから1千年後の世界で別の2人の主人公が活躍する第二章、そして主人公3人が激闘を繰り広げて物語が完結する第三章まで、驚くべき物語が展開される。
アラブ世界を舞台としたこの小説には、西洋のファンタジーとはまた趣が異なる、妖しく現実と夢の境界線が曖昧な幻想的な世界が描かれており、内容の面白さもさることながら異文明の香りを堪能することができる傑作だと思う。
全読書人必読と言っていい壮大な法螺話の面白さ。 おすすめ度
以前「月刊プレイボーイ」誌が、「ミステリー徹夜本を探せ」との何とも魅惑的な特集を組んだ際、北上次郎、大森望、豊崎由美の当代きっての凄腕書評家3人に、爆笑問題の太田光がこぞって最高位に挙げていたのが今作、ずっと気になっていたのだが、ようやくこの度読了した。そして、これは評判通りの途方もなく壮大な作品だった。
謀術、眩惑、魁偉、豪胆、妖艶、爛熟、恐怖、幻想、浪漫、正に血湧き肉踊る疾風怒濤の650ページ。その本、古今東西稀代のまたとない玄妙驚異の内容を備えた、たちまち読み手を虜にする物語と文中形容されるに相応しい1冊。
プロローグで語られるナポレオン東征に対抗する奇妙奇天烈な企みが果たして何なのか、それを知るだけで、読書好きなら興味津々になる事請負なのだ。
古川日出男が仕掛けた現代版千夜一夜物語といった趣。好き嫌いはあると思うが、読み続ける事が辛くなる頃合で小休止し、息をつきつつ、壮大な法螺話に身を任せたい。
ミステリーのカテゴリーに入るかどうかは微妙だが、エキゾチックなムードや冒険小説がお好きな方には是非お薦めしたい。
謀術、眩惑、魁偉、豪胆、妖艶、爛熟、恐怖、幻想、浪漫、正に血湧き肉踊る疾風怒濤の650ページ。その本、古今東西稀代のまたとない玄妙驚異の内容を備えた、たちまち読み手を虜にする物語と文中形容されるに相応しい1冊。
プロローグで語られるナポレオン東征に対抗する奇妙奇天烈な企みが果たして何なのか、それを知るだけで、読書好きなら興味津々になる事請負なのだ。
古川日出男が仕掛けた現代版千夜一夜物語といった趣。好き嫌いはあると思うが、読み続ける事が辛くなる頃合で小休止し、息をつきつつ、壮大な法螺話に身を任せたい。
ミステリーのカテゴリーに入るかどうかは微妙だが、エキゾチックなムードや冒険小説がお好きな方には是非お薦めしたい。
浄暗と払暁の千夜一夜 おすすめ度
二日で読破した。
とても贅沢な物語だった。
まず独特の当て字が物語にふさわしい雰囲気を生み出す。
欠色と書いてアルビノと読ませたり森羅万象と書いてあらゆるものと読ませたり「くどすぎる」と思う人もいるかもしれませんが、これはこれでいい!と声を大にして主張。
非常に咀嚼し甲斐のある贅美な文体だった。
紙葉から麝香の酩酊が匂い立つような。
あるいは紙葉に薫き染められた極上の麻薬のような。
ぶっちゃけ韻踏みに特化した西尾維新の何十倍もかっこいい文体だと思うんですよこれ、読みながら何度蠱惑するような余韻に陶然としたことか……
特に海の夢森の夢の描写が素晴らしい。どうしたらこんな表現思いつくの?って感じのめくるめくイメージの奔流に翻弄される快感は読書の醍醐味!
すっげー気持ちいい!!
ひとたび物語世界に没入すれば長すぎるなんて全然感じませんのでご安心を。
棚ぼた的幸運の持ち主(といっちゃ失礼だが)でちょっとお馬鹿なサフィアーンと背中に烙印をもつ天才魔術師ファラーの主人公二人が好対照。
アーダムとジンニーアの艶笑会話には思わず突っ込みたくなること必至。
縦横無尽どころか時空すら超越し広がり続ける阿房宮の描写に異世界を堪能。
終盤明かされるアイユーブの過去には目頭が熱くなりました……。
読み応えのある作品をお探しの方はぜひ!
とても贅沢な物語だった。
まず独特の当て字が物語にふさわしい雰囲気を生み出す。
欠色と書いてアルビノと読ませたり森羅万象と書いてあらゆるものと読ませたり「くどすぎる」と思う人もいるかもしれませんが、これはこれでいい!と声を大にして主張。
非常に咀嚼し甲斐のある贅美な文体だった。
紙葉から麝香の酩酊が匂い立つような。
あるいは紙葉に薫き染められた極上の麻薬のような。
ぶっちゃけ韻踏みに特化した西尾維新の何十倍もかっこいい文体だと思うんですよこれ、読みながら何度蠱惑するような余韻に陶然としたことか……
特に海の夢森の夢の描写が素晴らしい。どうしたらこんな表現思いつくの?って感じのめくるめくイメージの奔流に翻弄される快感は読書の醍醐味!
すっげー気持ちいい!!
ひとたび物語世界に没入すれば長すぎるなんて全然感じませんのでご安心を。
棚ぼた的幸運の持ち主(といっちゃ失礼だが)でちょっとお馬鹿なサフィアーンと背中に烙印をもつ天才魔術師ファラーの主人公二人が好対照。
アーダムとジンニーアの艶笑会話には思わず突っ込みたくなること必至。
縦横無尽どころか時空すら超越し広がり続ける阿房宮の描写に異世界を堪能。
終盤明かされるアイユーブの過去には目頭が熱くなりました……。
読み応えのある作品をお探しの方はぜひ!
物語りらしい、荒唐無稽にして甘美なアラビアンナイト物語 おすすめ度
本書は、日本推理作家協会賞&日本SF大賞受賞作を受賞した評価の高い本です。
推理小説・ファンタジー小説の苦手な私は積読状態でしたが、昨年度のベスト推理1に選ばれるや、やっぱり読まねばと重い腰(手?)をあげました。
あー、やはり苦手でした。翻訳文調の私からすれば悪文になかなか読み進めなかったのです。(この感覚は村上春樹さんを読み始めたころにも味わったことがあります)・・・が、
それも束の間!
摩訶不思議なアラビアの世界、夜の種族が暗躍する世界へとひきずりこまれたのでした。
聖遷暦1213年のカイロに迫り来るのは最新鋭の武器、近代的戦法のナポレオン艦隊。対するのは未だに馬にまたがり十字軍を打ち破った過去の栄光を信じて疑わない12人のベイ(カイロ知事)の軍でした。
勝敗は言わずと知れていますが、そこで暗躍し勝利に導こうとしたのが、一人のベイの腹心アイユーブです。
その秘策とは『災厄の書』をもってナポレオンを破滅に追い込むという奇想天外な作戦です。
妖術師やら蛇やら魔族やら森の種族やら、それはそれは魔性転生のおどろおどろしい世界がひろがります。
言ってみれば、この物語りは日本神話と里見八犬伝と天草四郎をてんこもりにした講談といってよいと思います。
文章のちょっと雑なところや会話のはっつぁん・くまさん的なところも講談だと思えば納得します。
作者の古川さんを検索して調べたところ、彼の原点の一人が村上春樹さんだとわかりました。
読みはじめに村上さんを感じたのもあながちはずれてはいませんでした!
ああ、面白かった!
推理小説・ファンタジー小説の苦手な私は積読状態でしたが、昨年度のベスト推理1に選ばれるや、やっぱり読まねばと重い腰(手?)をあげました。
あー、やはり苦手でした。翻訳文調の私からすれば悪文になかなか読み進めなかったのです。(この感覚は村上春樹さんを読み始めたころにも味わったことがあります)・・・が、
それも束の間!
摩訶不思議なアラビアの世界、夜の種族が暗躍する世界へとひきずりこまれたのでした。
聖遷暦1213年のカイロに迫り来るのは最新鋭の武器、近代的戦法のナポレオン艦隊。対するのは未だに馬にまたがり十字軍を打ち破った過去の栄光を信じて疑わない12人のベイ(カイロ知事)の軍でした。
勝敗は言わずと知れていますが、そこで暗躍し勝利に導こうとしたのが、一人のベイの腹心アイユーブです。
その秘策とは『災厄の書』をもってナポレオンを破滅に追い込むという奇想天外な作戦です。
妖術師やら蛇やら魔族やら森の種族やら、それはそれは魔性転生のおどろおどろしい世界がひろがります。
言ってみれば、この物語りは日本神話と里見八犬伝と天草四郎をてんこもりにした講談といってよいと思います。
文章のちょっと雑なところや会話のはっつぁん・くまさん的なところも講談だと思えば納得します。
作者の古川さんを検索して調べたところ、彼の原点の一人が村上春樹さんだとわかりました。
読みはじめに村上さんを感じたのもあながちはずれてはいませんでした!
ああ、面白かった!
ファンタジア おすすめ度
この本を私は一週間とかかわずに読み終わりました。長いといわれている物語ですが、たしかに背景としての描写などには必ずしも必要ではないような部分もありました。しかし、それでも、物語としてのテンポ(展開)はそれとは裏腹に飽きが来るものではない。それこそ、物語の登場人物としての、いわば物語の中の物語の聴き手である書家や奴隷のように、私はこの本に耽溺することになりました。ファンタジーを読んだことのない人は、読み始めはなにやら疑心を憶えるだろう。しかし、これをファンタジーそれ自体として認識してよんだなら、すぐに魅了されるでしょう。困難な描写を上手く創造をしながら読むのはなかなか大変だが、全ての流れを掴むことの面白さ、何がどう繋がるのか、さながら歴史としてのミステリーとファンタジーの絡み合いは絶妙です。 さらにいえば、世界史に対してのいくらかの知識があればなお面白く読めるであろう。

