OUT 上  講談社文庫 き 32-3
作者 桐野 夏生
価格 700 円
出版社名 講談社
出版年月 2002/06
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    第51回 日本推理作家協会賞   受賞
雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。彼女は、なぜパート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?自由への出口か、破滅への扉か?四人の女たちが突っ走る荒涼たる魂の遍路。魂を揺さぶる書下ろし犯罪小説。

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■読者の評価     おすすめ度平均

弁当工場、殺人、死体解体、ヤクザなどが盛りだくさんで怖い話だが、超お勧め       おすすめ度
刺激が強すぎて、途中から読むのが怖くなるほどだった。雅子からの仕事を引き受けたヨシエ(師匠)と同じ気分で、やるべきか、やっぱり止めようか、(怖いけど読みたいし)読者の気持ちも揺れ動き、やがて、次の仕事もやらせてくれとヨシエが言う頃には、読者も耐性がついて何でも来いと思うのだが、それを上回る恐怖が途中で用意されている。この恐怖感には嘔吐感が伴う。

弁当工場に勤務する外国人労働者の過酷な生活をテレビで見たことがあったが、この「OUT」を読めばかなり詳細なことまで分かる。読者は主人公の雅子や、チームを組んでいるヨシエ、邦子、弥生たちの生活苦と、それぞれに崩壊している家庭を垣間見る。どうしようもない閉塞感の中で、雅子は弥生の窮状を助ける。助けた理由は、この生活からの脱出につながると直感が働いたからかもしれない。目次では最終章の第7章が「出口」である。OUTの意味はそれである。

素晴らしいエンターテイメントだ。人の心、工場や浴室などの描写は映像が頭に浮かんでくる。心から一読をお勧めする。


これはミステリーなのか?       おすすめ度
特に後からはっと気付かされるトリックもあるわけではなく、淡々と物語が進行。何が面白く、何でミステリーとして多くの賞をもらっているのか不明。時間を無駄にした。


おもしろいが「リアルワールド」と構成がまったく一緒なのはいかがなのものか       おすすめ度
この著者の作品「リアルワールド」は4人の女子高生が殺人事件をきっかけに、
殺人犯に加担し、それぞれの本性が表れていく・・・
この「OUT]もまるでこのプロトタイプと同じ。
4人の主婦が殺人事件をきっかけに加担し、それぞれの本性が表れていく・・・
おもしろい話ではあるけど、リアルワールドの単なる主婦版。

主婦の漠然とした不安や苦悩が何かの拍子に崩れていく様は、
やや極端な記述とはいえ、現代日本に生きる主婦の心の悩みをえぐった、
すばらしい作品ではあるとは思う。

前半はたるいが後半になってどんどんおもしろくなっていく。


嗅覚+皮膚感覚に訴える力はキモかっこいい!       おすすめ度
深夜の弁当工場の空気感、ニオイ、皮膚にまとわりつくのは転んでひっくり返したソースばかりでない・・解体される屍体からのおびただしい出血、体液、そして精液などの醸すなんともいやな感触がすべてカオスとなって行間からあふれ出てきます。皮膚や粘膜に直に触れる感覚は女性の方が鋭敏だからだろうか?

なんでこの作家はこんなにキモかっこいいんだろう!。


女たちのフラストレーションが爆発する時       おすすめ度
失意と狂乱が入り混じった人間独特の毒気を大胆に描いた読み応えがある作品。
殺人事件を発端に想わぬ方向へ事態が一転していくスリリングさに拍車をかけます。