ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)
作者 中島 らも
価格 510 円
出版社名 集英社
出版年月 1996/05
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    第47回 日本推理作家協会賞   受賞
アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。彼の著書「呪術パワー・念で殺す」は超能力ブームにのってベストセラーになった。8年前に調査地の東アフリカで長女の志織が気球から落ちて死んで以来、大生部はアル中に。妻の逸美は神経を病み、奇跡が売りの新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てるが…。超能力・占い・宗教。現代の闇を抉る物語。まじりけなしの大エンターテイメント。

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■読者の評価     おすすめ度平均

膨大な参考文献に支えられたリアルさ       おすすめ度
文句なしに面白い、3巻組の長編ミステリー。
参考文献はたっぷり42冊。 そのエッセンスを
著者が紡ぐことで、ここまで面白い作品となった。

第1巻 日本。マジックと超能力、そして宗教。
第2巻 ケニア。広大な大地と呪術、真の敵現る。
第3巻 日本。繰り広げられる果てしない戦い。

この巻は日本を舞台にして、マジックと超能力の
せめぎ合いを、新興宗教やTV業界を小道具にし、
ノンフィクションのドキュメンタリーのように
次々に舞台裏が白日の下にさらされていく。
そして、登場人物の一人一人が実在するかの如く、
そう、心の揺れ動く様までを見事に描き出した。
今、まさに動き出さんばかりの、生き生きとした、
リアルでだだっ広い世界がこの本に詰まっている。


不世出の天才       おすすめ度
アルコール中毒、奇術、呪術、ドラッグ、テレビ業界、スプラッターホラー、中島らもの著作を読んだ人であれば、どれも中島らもが関心を持っていた分野を融合させたエンターティメント作品であることがわかると思います。

特に、新興宗教の怪しさを書くことは、当時のタイミングとしては
なかなかできないことだったと思う。

直木賞候補にもなった作品なんですが、残念ながら選からは漏れています。
中島らもの良いところ、「達観」「中庸」が 賞レースのような「自己主張」にはなじまなかったのかもしれません。

もう中島らもには会えませんが、彼の作品には会える。

私のオススメは「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」「お父さんのバックドロップ」「今夜、すべてのバーで」 です。

人って、男ってどうやって生きて行ったらいいのかな?

そんな私の疑問に いつも真正面から応えてくれた 中島らもさんに ★5つ。


最高でしょう       おすすめ度
今読了したところですが、興奮おさまりません。呪術やアフリカの話は、他の人のレビューを参考にしていただくとして、皆にはイマイチ不評な三巻目に作者の奇才が現れていると思います。
ものすごく丁寧に表現、設定されている人物が、もったいなくもあっさり死んでいく現実…。
映画「ワースト☆コンタクト」に通じる驚きがありました。
最後に一言!
「らもさん、あんた、ほんまは全員殺したかったやろ〜!」


稀代のエンターテイメント小説       おすすめ度
本の内容・解説は他の方々に譲るとしまして、
いや本当に寝食を忘れて読み込んだのは久しぶりです。
読書に親しんでいらっしゃる方ならわかって頂けると思いますが、
こういう体験ってそうそうあるものではないんですよね。
今もかなり眠いですが、幸せな時間だった…。

本当に日本は惜しい方を亡くされましたね。故人のご冥福をお祈り申し上げます。


最高に面白い冒険小説       おすすめ度
 第1巻を一言で要約するなら『新興宗教危機一髪』。新興宗教にはまっていく妻を取り戻さんと奮闘する大学教授(と言っても、全然格好よくない。映像化するならキャストは蛭子さんかなって思うぐらいの冴えなさだ)からスタートするんだけど、新興宗教の詐欺の手口をこれでもかってぐらい暴露していく面白さ。
 中島らもは衒学的だとはよく言われるけど、シナリオに密接に絡みついてるから面白いことこの上ない。現代日本を舞台にして、よくぞここまで面白い冒険小説を書いたものだと思う。世界に誇りたいエンタティメント。お勧めです。