鋼鉄の騎士〈上〉 (新潮文庫)
作者 藤田 宜永
価格 940 円
出版社名 新潮社
出版年月 1998/01
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    第48回 日本推理作家協会賞   受賞
第二次大戦直前、世界中にキナ臭い空気が漂う1935年。左翼運動に挫折しパリにやって来た、子爵家出身の日本人青年がいた。偶然、目にしたトリポリ・グラン・プリに魅せられ、青年はレーサーを目指す。ナチスの足音、スターリンの影に震える欧州で、国際諜報戦に巻き込まれつつも疾走する熱い青春―。冒険小説の枠を超えた面白さで圧倒する超大作2500枚。

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■読者の評価     おすすめ度平均

日本推理作家協会賞受賞作       おすすめ度
文庫第一版14ページ11行目に「スパイはすべからく処分する。・・・」とゆう、いまどき中学生でもまちがえない誤用で先行き心配になりますが、いかにもなデラシネ冒険譚としては一読の価値はあったと思います。


戦後編を早く読みたい       おすすめ度
 とにかく、本が厚い。これが純文学なら読むのに三年かかりますが、これは三日で読みました。出だしから引き込まれ、主人公と同じように巻き込まれるように読み続けてしまいました。あれよあれよと思うままに、読者の予想の外へ外へとモノガタリが展開して行き、最後はちゃんと収集できるのか?と不安になりますが、みごとにきちんと収まります。レース小説として読むと、多少違いますが読めばそんなことはどうでも良くなります。よくもここまでの小説を書けたものだと感動まちがいなし!藤田さん、あとがきにあった戦後編、はやく書いて欲しいです。奥さんに恋愛小説はまかせましょう!


無意味なものとは       おすすめ度
とかく「有意義な人生」がもてはやされる昨今、人間による、人間の生活に本質的に無意味なものに対して傾けられる情熱というものは、どのように説明されるのだろうか。そして時にその対象のために命を落とすことさえある事実に対して。

自分が無意味であると思うことに、情熱を傾けている人の気持ちが分からなかったら本書の一読を勧める。(といっても長いですね、一読というには。)

面白かったです。昔のレースに興味のある人にもお勧めです。



レーサーとは、即ち「鋼鉄の騎士」である       おすすめ度
日本人青年、義正。彼は子爵の子である。
レーシング・カー。それは貴族たちの新しい力強い騎馬である。
スパイ。それは忍び寄る戦争の足音の舞台裏で暗躍する戦士である。
大泥棒。彼らは夜の街の支配者である。
それぞれの思惑、事情、情熱、恋、失意、策略。
それらが複雑に絡み合い、もつれた糸を一つ一つ解きほぐすように物語は展開する。

主人公義正が鋼鉄の暴れ馬ブガッティとともに、陰謀の舞台裏までを一気に疾走していく、その爽快感がたまらない冒険小説の金字塔。
そのボリュームもさることながら、読み終えたあとの手応えがいつまでもズシリと残る超大作。