都市伝説パズル―法月綸太郎の事件簿 (SUSPERIA MYSTERY COMICS)
作者 法月 綸太郎
価格 540 円
出版社名 秋田書店
出版年月 2003/03/20
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    第55回 日本推理作家協会賞   受賞

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■読者の評価     おすすめ度平均

『冒険』、『新冒険』、『功績』からのセレクション       おすすめ度
◆「都市伝説パズル」

  《安楽椅子探偵もの》。

  三角関係のため、被害者に怨みを抱いている友人、第一発見者など、
  疑わしい人物を犯人と仮定し、綸太郎と警視が推論を繰り広げます。

  ポイントとなるのは、現場に残された血文字。

  「都市伝説」といったおどろおどろしいイメージが重ね合わせられていますが、
   その底にあるのは、あくまで功利的な犯人の打算です。

  事件の解明が、新たな「都市伝説」の萌芽と
  なったことを暗示する結末も洒落ています。



◆「世界の神秘を解く男」

  ポルターガイスト現象が起こる家で超心理学者が
  シャンデリアの下敷きになって死んだ。

  果たして超能力現象によるものなのか――?


  「超能力」のタネとしてのトリックは、拍子抜けするぐらい単純。

  しかし、超能力少女の家庭事情や軽薄なマスコミの生態、そして
  封建的な学会の体質といった生臭い人間関係に溶かし込むことで、
  じつに効果的かつ印象的なものとなっています。



◆「現場から生中継」

  殺人事件があった時間、容疑者はテレビの生中継に
  映っていて、その上、携帯電話で友人と話していた。

  鉄壁のアリバイがあると思われたのだが、その友人が
  容疑者との通話中に「(テレビの)テロップの下を見ろ」
  と言われたと証言する。

  テレビを観れなかったはずの容疑者が、そのような指示を出せる
  はずはなく、アリバイは崩されたかにみえたのだが……。


  衆人環視のアリバイをいかに崩していくか、というモチーフかと
  思わせて、終盤で鮮やかに反転させる手ぎわはじつに見事です。
  


◆「黒衣の家」

  ホワイダニットが焦点。
  物語が、葬式の場面から始まっているのがポイントです。

  本作における犯人の発想には、多くの先例があると思いますが、
  逆に最近の作品では、桜庭一樹の某作のなかに見られました。