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■商品案内
???『午前三時のルースター』で2000年のサントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞してデビューを飾った垣根涼介は、旅行会社の添乗員だった経験を生かしたリアルな舞台設定と、繊細な人物描写を得意とする新しい才能である。そんなクライム・エンターテイメント小説の気鋭が、事実を基に練り上げ1年をかけて書き下ろした意欲作が本書である。国の無責任な移民政策による被害者たちの怨恨という難しいテーマを、きめ細かく鮮やかに料理し、読者を突き抜ける爽快感へと導く。
???外務省、ひいては日本国にだまされた形で南米へ移住し、辛酸をなめた人間たちの復讐譚(たん)が、骨太につづられる。爽快なリベンジというのは妙な話だし、書名と装丁からも、盛大に人が死んだり大量な血が流れるステレオタイプなクライム・ノベルを想像しがちだが、それはまったくの間違いだ。垣根の作品に共通する要素は、「美意識を共有する者同士は、初対面から信頼しあい決して裏切らない」というテーゼと、自動車マニアやメカ好きなクールガイが多く登場する、という2点。また、ある種の性善説にもとづく博愛的世界観および諦念、それから底辺に生きる人間への優しいまなざしも随所に感じさせる。本作では、それらの「垣根要素」がうまくミックスし、更に2か月にわたる南米取材を糧に、存在感のある登場人物が大活躍する理想のリベンジ譚となった。
???主要な登場人物ではないが、外務省襲撃の目撃者で夜ごと首都高をとばすルーレット族の男性が、「機関銃がバンバン撃たれているところを見たかった」「外務省が嫌いだから…ザマアミロって思っていた」と証言する場面がある。読者の気分を代弁すると共に、ヒッチコックのように、一瞬作者が姿を現したようで面白い。今後も目の離せない書き手のひとりだ。(坂本成子)
■読者の評価
おすすめ度平均
おもしろい! おすすめ度
おもしろい。とにかくおもしろい。
登場人物の心理的な描写、行動に至るまでの動機など、全てにおいて読み応えのある大作だった。
久しぶりに一気に読むことが出来たし、小説が終わってしまうのが勿体無いとさえも感じた。
あえてコメントをつけるとすれば、日系ブラジル人の描き方。ブラジルを意識させるためかわざとらしく非日本人的過ぎ。根本的には日本人が飾りをつけたようなやらせっぽいキャラクターになっている。
あと、登場する女性の心理描写。いかにも男の作者がつくりあげたキャラクターだと思ってしまう。
けど、小説が面白いことに変わりはない。
あと、過去に大変な苦労をした日系移民についての知識も同時に吸収できて興味深い。
登場人物の心理的な描写、行動に至るまでの動機など、全てにおいて読み応えのある大作だった。
久しぶりに一気に読むことが出来たし、小説が終わってしまうのが勿体無いとさえも感じた。
あえてコメントをつけるとすれば、日系ブラジル人の描き方。ブラジルを意識させるためかわざとらしく非日本人的過ぎ。根本的には日本人が飾りをつけたようなやらせっぽいキャラクターになっている。
あと、登場する女性の心理描写。いかにも男の作者がつくりあげたキャラクターだと思ってしまう。
けど、小説が面白いことに変わりはない。
あと、過去に大変な苦労をした日系移民についての知識も同時に吸収できて興味深い。
ド派手な大迫力エンターテインメント おすすめ度
ド派手で、正に「ワイルド」な犯罪が展開される。そのターゲットは日本国家と外務省。外務省の庁舎をマシンガンでドカドカと破壊したり、元外務省関係の人間を人質に取り総理大臣(=国家)の謝罪を引き出そうとしたり・・・。
この犯罪の動機は、重たすぎる史実がベースとなっている。1950年代、60年代のブラジル移民政策。ブラジルの未開の国土を開墾すれば豊かになれるという国家及び外務省の宣伝により、4万人を上回る国民が現地に渡ったものの、実際に行きついた先はジャングルのように荒れ果てた開墾困難な土地・・・。実情は戦後の食糧難の時代に少しでも人口を減らすための、国家と外務省による「棄民政策」だったのだ。彼らの開墾の努力は度重なるアマゾンの大洪水も手伝って徒労に終わり、ジャングルの中で餓死や病死するか、または都市部に逃げ出したものの乞食や売春婦に身を貶めた。地獄の移民生活の中からまともに生きながらえたのは一握りの人間達。
この小説の中で、そうしたブラジル移民一世、二世の生き残り組が、過去の日本国家の裏切りに対して復讐を挑む。その結果不完全ながらもある一定の成功を果たす。そうすることで彼らはやっと自分の精神を縛り付けていた忌々しい悲惨な過去と決別し、自由な地への一歩を踏み出せたのだった。
読後は史実の重みに圧倒されながらも、ある種すがすがしい気分を味わうことができた。
ブラジル、コロンビア、日本を舞台にした地理的側面、犯罪の規模、動機、全ての点においてスケールが大きく読み応えある作品である。
この犯罪の動機は、重たすぎる史実がベースとなっている。1950年代、60年代のブラジル移民政策。ブラジルの未開の国土を開墾すれば豊かになれるという国家及び外務省の宣伝により、4万人を上回る国民が現地に渡ったものの、実際に行きついた先はジャングルのように荒れ果てた開墾困難な土地・・・。実情は戦後の食糧難の時代に少しでも人口を減らすための、国家と外務省による「棄民政策」だったのだ。彼らの開墾の努力は度重なるアマゾンの大洪水も手伝って徒労に終わり、ジャングルの中で餓死や病死するか、または都市部に逃げ出したものの乞食や売春婦に身を貶めた。地獄の移民生活の中からまともに生きながらえたのは一握りの人間達。
この小説の中で、そうしたブラジル移民一世、二世の生き残り組が、過去の日本国家の裏切りに対して復讐を挑む。その結果不完全ながらもある一定の成功を果たす。そうすることで彼らはやっと自分の精神を縛り付けていた忌々しい悲惨な過去と決別し、自由な地への一歩を踏み出せたのだった。
読後は史実の重みに圧倒されながらも、ある種すがすがしい気分を味わうことができた。
ブラジル、コロンビア、日本を舞台にした地理的側面、犯罪の規模、動機、全ての点においてスケールが大きく読み応えある作品である。
復讐計画が思ったよりあっさりしていた おすすめ度
おもしろかったが、復讐計画が思ったよりあっさりしていたのがちょっと残念だった。犯人たちの目的が日本政府に謝罪をさせることであれば別の手段でも可能だと思うのだが、あえて回りくどいやり方をしている理由も分からなかった。ただ、ケイと貴子のやりとりはおもしろかった。自分のプライドを傷つけられた貴子はケイに意地悪をするのだが、ケイは素直にそれを受け入れ死ぬ覚悟までする。その覚悟が本気だったのか狂言だったのかは結局分からないが、陽気で嘘をつかないケイの性格にちょっと憧れた。
最後までいい おすすめ度
3人の男、そして貴子ちゃん(すべてカバーに出てくるよん)、皆最後は読者の私を満足させてくれました。もっと、彼らのハチャメチャを読みたいw
圧倒的なスケールとリアリティとスピード感 おすすめ度
大藪春彦賞、吉川英治文学賞、日本推理作家協会賞をトリプル受賞した作品ということでかなり期待値が高かったのだが、その期待をさらに上回る出来で、次のページをめくるワクワク感を与えてくれる本に久しぶりに出会った。自分の不勉強で知らなかったのだが、戦後のブラジルへの移住政策というのが日本政府の完全な失策であり、著者は、この移住者の多くにかなり過酷な結果をもたらした事実を現地まで赴いて克明に取材し、かなりのリアリティをもって書き起こしている。実際の過去の出来事の上に、悲劇の日系ブラジル人たちを主人公に据え、おもに日本とブラジルの両国を舞台にフィクションを重ねて描くスタイルで、そのスケールとリアリティと展開の速さには圧倒させられた。ハードボイルド系を好む男性にお薦めの1冊である。

