哀しい予感 (角川文庫)
作者 吉本 ばなな
価格 420 円
出版社名 角川書店
出版年月 1991/09
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■読者の評価     おすすめ度平均

遠い日の記憶       おすすめ度
思いもよらない悲しみを受けて、記憶を封印してしまった弥生。
暖かな両親と弟と共に過ごしていても、何か心にひっかかるものがあります。

変わり者だけどなんとなく心惹かれるおばのゆきのの元に行き、共に時間を過ごすうち、大事な記憶を取り戻していきます。

弥生・ゆきの・哲生。。。
それぞれの登場人物たちがとても魅力的です。

ばななさんの繊細な感性には、いつも驚嘆させられます。
そしていつも、ホロッと涙がこぼれて、暖かい気持ちになります。

希望のある結末に安心しました。
この本に出てきた登場人物たちが、みんな幸せになってほしい・・・、
 心からそう思いました。

優しいお話でした。


大ベストセラー!       おすすめ度
主人公が勘の良さのみで自分の人生を再発見してゆく様子が面白かった。
どこか他人行儀で乾燥した文章と、重苦しい内容のコントラストが秀逸。
弥生さんが平時何をして生きているのかが気になった。


静かな雨の夜に読みたい       おすすめ度
森の中の一軒家から物語は始まる。
時間の止まった空間、どこで寝るのも自由、食べたい時に食べ、家に居る時は常に裸足。
そんなおばと「私」の静かな物語。

何年経っても色あせる事のない物語に、人生で何度出会えるのだろうか。
一度なくしてしまい、どうしても読みたくなって再度購入する程思い入れがある。
初めて読んだ時の衝撃は忘れられない。雨の匂いまで文字で表現できる作家を、私はこの人以外に思いつかない。

哀しい物語ではない。
切なく、しとしと降りしきる雨のごとき静かな作品。

心がしんと落ち着く、素晴らしい一冊だと私は思う。


優しくて神秘的       おすすめ度
15年ぶりくらいに再読しました。

弥生、おばさん、哲生くん、正彦くん、弥生を育ててくれた両親。
みんなの優しさとまっすぐな気持ちは決して揺るがない。
確かなものに包まれて心地がよかったです。

超能力的な題材もうさん臭くなく、
自然にスーッと受け入れられるのがばななさんの作品の特徴。
しかもその神秘性が物語全体を不思議なオーラのように包み、とっても美しい。

姉弟として育てられた血のつながらない2人が恋をする、とか
教師と教え子の恋、とか
一歩間違えれば安っぽくなるエピソードをこんなにキレイに描けるのは、
やはり豊かな感性からうまれる繊細で美しい世界観にある。
“一つ一つの文章が愛しい”なんて感じさせてくれるのは、
ほんとにばななさんの本だけです。

15年前は気付かなかった。
よしもとばななは昔からちゃんとよしもとばななだったんだ。
今回の再読は、
彼女の明確な方向性はこのころからあったのだと気づくいい機会でした。


よしもとばなな効果       おすすめ度
よしもとばななさんの本はたまに読むのですが、その中でも1、2番に好きな作品。何といっても彼女の作品を読むと確実に次の日からの自分の普通の生活がキラキラしてみえたり雨の日に出かけてみたくなります。主人公の心境を良い具合に追体験できるのでしょう。
よしもとばななさんの作品のハッピーエンドは予定調和に感じられてついて行けないことがあるのですが、哀しい予感ではそんなことも無く自然なラストでした。