お見世出し (角川ホラー文庫)
作者 森山 東
価格 460 円
出版社名 角川書店
出版年月 2004/11
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■読者の評価     おすすめ度平均

あわない       おすすめ度
正直なところ、まともに読めませんでした。受賞作のお見世だしは、まだ幽霊物という比較的わかりやすいところをとっていたので、ホラーに京都(お茶屋)をたしたという目新しさがかわれたのだと思います。ただ、ホラーとお茶屋をくみあわせた目新しさ、だけで、作品そのものは、たんなる幽霊が出てくるだけの話で、おもしろくも怖くもありませんでした。

そのつぎの「お化け」は、受賞したから、編集にむりやり書かされた感がいなめません。あまりに行き当たりばったりで、怖くもないし、おもしろくもないし、しかもむだな情景ばかりが連ねられていて、作品になっていませんでした。


コーヒーに羊羹       おすすめ度
祇園が薄っぺらいです。祇園というより木屋町って感じの小説。
もっと女遊びしてから書きなよ、森山さん。

あまり怖くないホラー小説です。小林さんや岩下さんのほうがいいです。

その他収録作の呪扇は胃のあたりがムズムズするような感覚でよかったです。


卓越した幽霊話       おすすめ度
三編の短編集。うち、表題作は日本ホラー小説短編賞受賞作。最近の新人作品は、過度に猟奇的であったり、非常に先進的な(モダンな)作品がもて囃される傾向がある。しかし、本書はオーソドックスな幽霊話だ。特に表題作で京都の舞妓の世界を舞台とした「お見世出し」の出来は緻密で、故人である舞妓の幸恵があたかも主役である様だ。幸恵の霊を呼び寄せた後、大文字の送り火が中止となり、この世で色々な騒ぎを起こすところは、大変面白い。終末部分の余韻も見事だ。

本書は幽霊話として、短編ながら腰を据えて楽しめる。
文庫の表紙の絵は、本書のある場面を表している。


短編章受賞作でもこの程度なのか       おすすめ度
久々に角川ホラー文庫を読んだのであるが、短編章受賞作でもこの程度なのか、と言うのが正直な感想である。『玩具修理者』『D‐ブリッジ・テープ』『ぼっけえ、きょうてえ』のようなインパクトは無い。ストーリーも描写力も並の部類に思えてしまうのだが、これは私の感性が鈍ったせいだろうか?


秀逸な不気味さ       おすすめ度
カバー絵からして、おどろおどろしい不気味さが漂っていますが、物語もなかなか良い雰囲気です。現代においても随所に古の暗鬱さが感じられる京都の伝統と因習をモチーフに、うまく読み手を超現実世界に誘ってくれます。ストーリー展開にやや引っかかるところがあったりしますが、醸し出している不気味さは秀逸です。岩井志麻子さんあたりが好きな方も読むと愉しめるのでは・・・