秋に墓標を
作者 大沢 在昌
価格 1,750 円
出版社名 角川書店
出版年月 2003/04
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■読者の評価     おすすめ度平均

主人公よりも、その親友が魅力的       おすすめ度
北方謙三の十八番を思わせるストーリー。海に近い別荘地で、漫画の原作を書きながら、静かに暮らす男。別荘地で場違いな火事の出た日、見知らぬ女が訪ねて来た。女は誰かに追われている? 僅か数日の生活で、男は全てを捨てて彼女を守ろうと思いつめる。ヒロイックな人物は登場せず、派手なアクションシーンもない。中盤から少し不自然なストーリー運びになったこともあって、結末は早くから予測できる展開になっている。
作者の名が売れ始めてからファンになった人には、それでも満足できるかもしれないけれど、初期の作品から読んでいる身としては、ちょっと物足りないものになった。強いて言えば、これまたすぐに背景はわかってしまうものの、主人公である男の親友は、なかなか魅力的である。


平均点       おすすめ度
徹夜度    ★★★☆☆    話題性    ★★★☆☆
着想     ★★★☆☆    作品の重さ  ★★★☆☆
テンポ    ★★★★★    読みやすさ  ★★★★★
謎解き    ★★★☆☆    感動     ★☆☆☆☆
読後感    こんなものかな
おすすめ度  ★★★☆☆

東京での生活を捨て、漫画の原作者として、ひっそりと暮らす松原のもとに、突如、杏奈と名乗る美女が逃げ込んでくる。エージェントのもとから逃れてきた彼女を、彼は匿おうとするが、やがて彼女は謎の失踪を遂げる。純粋に杏奈への想いから、彼女の行方をおう松原。彼の前には、CIA、公安、チャイニーズマフィアなど、様々な障壁が立ちはだかる。

作者の作品としては可もなく不可もなくというところか。一見大きなスケールの話に見えて、狭い範囲でちまちまと物語が進行する、中途半端な印象。この程度の内容でこの分厚い内容を最後まで読ませる筆力はさすがだが、本筋とは関係のない余分な描写が多い(つりのシーンなど)。流行作家が、読者受けをねらわず、書きたいことを書いた作品という印象を受けた。ひょっとして、作者本人の願望が入った作品かな?

2004年版 このミスで48位



スパーヒーローレス、アクションレスの作品       おすすめ度
勝浦の別荘地に住む松原の元にその美しい女が尋ねてきたのは、近くの別荘から出火した夜のことであった。女は内村杏奈と名乗りその別荘から逃げ出してきた、松原は何も言わず彼女を泊め次の日近くの駅まで送り届けた。そして4日目再び現れた彼女は松原にしばらくおいてくれるようにたのみ、彼女との生活が始まる。そして彼女を捜す人物が現れた後彼女は再び松原の前から姿を消す、彼は杏奈と行こうとしていた軽井沢に彼女を捜しに出かける…
大沢には珍しくスーパーヒーローが登場しない作品、主人公も格好はつけているが女性に対し弱気で、ぐちゃぐちゃ考えるタイプ、従ってアクションシーンも少ない作品。後味もいまいち


文章、文体が、少し感傷的な話に良く合う       おすすめ度
主人公は、「過去を持ち」世を捨てた中年の男。静かな生活の中に飛び込んできた「わけありの」女性に、惚れてしまい、捜し求めるうちに、世界規模の事件、陰謀に巻き込まれていく。その事件、陰謀には、世を捨てることになった主人公の過去も係わってきて・・という話です。

派手なアクションシーンもなく、複雑な謎もない。少し感傷的な話です。雰囲気的には、「佐久間公」シリーズっぽいです。ワクワク、ドキドキはしませんが、静かに引き付けられて行きます。

また、主人公の相棒など、相変わらず魅力的な脇役も、出てきます。

この著者の文章、文体が、少し感傷的な話に良く合います。これぞ、この著者しか書けない1冊、という本でした。