邪魅の雫 (講談社ノベルス)
作者 京極 夏彦
価格 1,680 円
出版社名 講談社
出版年月 2006/09/27
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■読者の評価     おすすめ度平均

コンセプトは大好きですが、       おすすめ度
話の舞台が広すぎで、好みじゃないです。
私はこじんまりとまとまっている姑獲鳥の夏とか鉄鼠の檻
みたいなほうが好きです。
益田や青木がメインだけど、個人的には、やっぱり、中禅寺や榎木津
の登場場面がもっとほしかったです。
最後のページ、榎木津のことばには鳥肌が立ちました。最後のページだけ
何度も読み返してしまいました。


切なくて哀しい…。       おすすめ度
榎木津が大暴れ!
京極堂がびしっと祓う!
関口君がうぅあぁと唸る!

と、毎回同じパターンを望んでいる人には向かないかな。
私は同じパターンの話を何話も読むのは嫌いなので
痛快な話もあれば哀切な話もある、って方が好き。
毎回同じじゃつまらないしね。

今回の話は、とにかく辛い。
読んでる側も心が痛い。
前作もかなり切なかったけど
ちょっと切なさや哀しさの種類が違うかな…。
ラストでは思わず涙が零れた。
もしかすると男性にはわかり辛いのかもしれない。
これは女性が読むと、相当辛くて鬱になりそう。

でも、とても面白い。


今回は憑物が憑かなかったかな       おすすめ度
このシリーズは私の中では推理小説とは思っていない。私の中の位置付けは『憑物落し物』だ。
そういった意味では、今回憑物が憑かなかったし、そのため落ちようもなかった。

本作は、長文読解に近いものがあり、そういった意味では推理は要らず、きちんと読んでいけばその文章の中に誰が誰を殺したかは書いてある。ただその長文と言うのが800ページ程あるのであるが。

このシリーズの魅力はいろいろあるが、その一つは薀蓄であり、その妖怪の話しであり、寺社仏閣の話しであろう。本作は、ほとんど薀蓄がない。

憑物が憑かず、薀蓄もないと、今一つといったところもあるのだが、やはりそれはそれでこの著者の文章は好きではあるので、また次作に期待したいと思う。


少し残念かな。       おすすめ度
京極夏彦さんの作品を読むと、日本人に生まれて日本語でこの作品を読めて良かったといつも思います。今回もそう思いましたしストーリーも面白かったです。
個人的に好きな青木刑事がたくさん描かれていて嬉しかったし、色んな人の違う一面みたいなものも見られて面白かったです。
最後が今までと少し違い切ない感じだったのがすごく印象的でした。
ですが、途中で推理小説でいう所の<犯人><トリック>などにあたる部分が分かってしまいました。最後の京極堂の憑物落としでも「いや、そんなに説明しなくても、もう分かってるし」という感じになってしまい、あのパズルのピースが次々にはまっていくような「ああ。そうだったんだ!」がなくて残念でした。前作の『陰摩羅鬼の瑕』でもそうだったので、初めのころのように登場人物達と一緒に憑物落としされる感覚になれるような作品を次回に期待したいと思います。


思弁的な感じ       おすすめ度
なんか、観念小説を読んでいるような気になった。が、様々な登場人物の行動を納得させる理屈付けと紙数は結末において合致するわけだし、合理的な思考で書かれてるんだよね。
短けりゃ、そんな行動するか? なんて疑問も湧き起こるし。

雫が元になり、邪魅が活動する。タイトルのまんまだけど、そんな小説です。