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作者 島本 理生
価格 1,365 円
出版社名 講談社
出版年月 2001/11
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■読者の評価     おすすめ度平均

うーん       おすすめ度
 デビュー作でだけあって、いま見ると、島本理生の中では習作にすぎないと思うけれど、高校生が読んだらとてもおもしろく感じると思う。
 この頃は文章があまりに村上春樹的すぎてどうなんだろうと思う。ときどきへんな文章があるし。
「終わるころにはいつも彼の愛情の海に侵されて起き上がることすら困難なわたしがいる。」
 愛情の海って……。こんなアホなことを書いていた時期があるんだな、と思うと、少しだけ微笑ましい。
 表題作のほかに、二本の掌編が収録されていて、「植物たちの呼吸」はどうでもいいけれど、「ヨル」のほうはすごい。彼に無視されたときの描写がうますぎて、この本での中でいちばん優れている部分だ。


彼女が泣くに泣けないラスト       おすすめ度
この本のラストに行き着いたとき、ああ、この本に出会えて本当によかったと思えた。ほんのちょっとしたことなのだが、決して取り戻す事のできない二人のずれを涙する事もできない彼女。ほんのちょっとしたことの一歩先に行く事が彼にはどんなに難しいか、そして、やっと踏み出した時には、別の大切なものを失っていた。この二人の喪失感が、圧倒的なリアリティをもって迫ってくる。きっと二人は、痛みを他人を深く理解する糧に変えて、大人への入り口をくぐっていくのだろう。


切ないとはこういうことかも・・・。       おすすめ度
好きな人から触れるということを拒絶された主人公。好きな人に触れられないことがどれほど辛いものなのか・・・。でもそれはどちらにも言えること。冠ちゃんも辛かったんだ。自分の好きな人と一緒にいることはできるのに触れることは決してできない。ましてやそれを気持ち悪いと思ってしまう。幼い子供の頭に焼きついて離れない過去の出来事。その苦しみから冠ちゃんが抜け出す術を知ったとき、私はすっと涙が流れた。感動した涙とは違う、自分でもうまく説明できない感情が溢れてきたんだ。この作品を読み終えた私は心に何か住みついたような気がしてならないんだ・・・。


雨の中に閉じ込められた女子高生の恋       おすすめ度
閉じ込められるということは、そこに閉じ込めておく為の空間が生じる
この話の主人公女子高生は、終わった恋を終わらせずに閉じ込めてしまった
人間の感情なんて永遠ではないのに、永遠と錯覚してしまう若さ
自分の感情に自信が持てなくなることを、罪深いこととして捉えてしまう
故に、過去の思いを閉じ込めてしまう
この主人公の純粋さは、高校生ならではの滑稽さでもある
でも、過ぎてしまえば小さな事だけど、当の高校生時には重大だ
この本は、高校生ならバイブルになりそうだけど・・・
おじさんや年配になればなるほど、時間の無駄に感じる本だと思う


別れても好きな人・・・       おすすめ度
好きってなんだろう・・・恋するって・・・かけがいの無い存在・・・一つになる事・・・触れ合うこと・・・
凄く純粋に読んでた。元彼を愛したまま別れてしまった主人公のココロを、綺麗に書き出してると思う。簡単だけど、簡単じゃない。単純だけど、単純じゃない。そんな矛盾の心地よさを感じました。
島本さんの作品はとても読みやすくて、一気に読んでるけど、何だろう・・・そのぶん後に残るものが在る。