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熊の場所もバット男もピコーンもおもしろい。
意外なことに文章が洗練されてる感じがして、すごいグロテスク
な描写とかもスルッと気持ちのバリヤーをすり抜けてくる感じ。
でも一点不思議でしょうがないのが、舞城王太郎さんって文学的
に他の作家とは違う次元にいるみたいに語られてて、芥川賞とか
も選評者が理解できないから取れない・・・みたいな風潮あるけど、
結構普通に面白いし、言ってることわかりやすいし、文章もうま
いし、普通じゃない?!
妙に高い評価とか、変な毛嫌いとかなくせばいいのに・・・。
『バット男』<弱さのあまりバットで威嚇するが、弱いので虐められるバット男>と<愛情不足から、自分の子供を虐待する女性>という構成からなる話。これまた、言いたいことを伝えたいという切実さは伝わるが、面白くないし、衝撃的でもない。
『ピコーン!』恋人を殺され、犯人探しをする女性の話。下品だし、堂って事無い話だが、奈津川血族シリーズを読んでいる爽快感が味わえた。
これがこの本との出会いでした。
それから手にとって「熊の場所」を立ち読み開始。
最初の3行読んでレジに並びました。
それから、舞城さんのファンになりました。
この本で一番すきなのは、『ピコーン』。。
確かに下品で読み始めはむっとしてました。
でも、読み終えてみたら、
ハッピーエンドでよかったと、思える作品です。
主人公の女の子の気持ちがなんだかじんわりと、
甘酸っぱいというか、なんと言うか・・・・・
なんども読んでみたいと思えます。ってか読んでます。
切なくなったら読みたいですね(。。)
「熊の場所」収録の短編はどれもメッセージが強い。この人の書いているのは、要するに、わけのわからないものに流されるな、というようなことだろう。それが非常に分かりやすい形で書かれる。むしろ、わかりやすすぎるほどだ。
この本の中で一番面白かったのは「ピコーン!」。かなり下品な作品で、どうということのない話なのだが、このキャラクターの甘酸っぱさというか青臭さに接する時、私は舞城王太郎を読んでいるなあと感じる。要するに、「煙か土か食い物」のようなエンターテイメント作品を望んでいるのである。
舞城作品はデビュー以来読み続けていて、処女作から3作目まではとても面白かったと思っている。
彼は講談社ノベルスに戻ってきてくれるのだろうか?(プリーズカムバック)
表題作は、主人公の小学生が「猫殺し」の少年と対峙することを通じて、成長する姿を描く。「バット男」は、弱いものがさらに弱いものを叩くという、世の中の構図を描き出した作品。残り一作は語るに足らない。
サカキバラ事件以降、遅れて来た作家たちが、暴力をテーマにした作品を書き散らしたが、本書もその系譜。惨殺死体やバットなどの陳腐なアイテムが無反省に使われている。少年犯罪や猫殺しなど、新聞紙上をにぎわせた事件を安易に下敷きにするやり方には辟易させられるが、これもある意味、舞城常套の二次創作の一種だろうか。舞城は最近も宮崎駿作品のパロディを書いている(『山ん中の獅見朋成雄』は『千と千尋』の露骨なパロディ作。この辺りは大塚英志氏の指摘が鋭い)。
舞城作品は独特の文体のみが問題にされ(肯定派にせよ宮本輝みたいな否定派にせよ)、その内容には余り触れられないが、強烈な説教願望が特徴的だ。この作品にも著者のメッセージがこめられているが、それは「この世界は暴力と不条理に満ちている。だからお前は強くなれ」というヒップホップ系アーティストのたわ言みたいなもの。本書はそれなりに現代の不条理さを描いているが、あちらこちらで、説教したい、世界を救いたい、という著者の説教願望がにじみ出していて興が醒める。著者は説教よりも世界の謎を探ることにもっと情熱を傾けるべきだろう。ただ、現代の吐き気をおぼえるような状況に何とか向き合おうとする姿勢はやはり一定の評価に値する。
帯には「最強」などと頭の悪いコピーが踊っているが、別に最強でもなんでもない。また舞城が憑依したかのように「舞城ヤバい」など舞城語を喋る評論家もいるが、無視していい。本当にヤバいのは彼らの評論家としての資質だ。今のところ、信頼できる舞城評を出しているのは大塚英志氏くらいだ。
本書は、現代日本文学を研究したい人にはいいサンプルになるので薦める。

