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■読者の評価
おすすめ度平均
舞城のスタンス おすすめ度
この作品は「千と千尋」のパロディだが、それは舞城のスタンスだ。既存のものを分解し、自分なりの解釈をつけてそれをぶちまけた小説を書いている。「暗闇の中で子供」ではレクター博士が出てくるし、「好き好き」は世界の中心で愛を叫ぶのパロディ、「みんな元気」の中のある短編はトトロがキーだった。
しかし、これは決してこの作者のマイナス面ではない。プラス面だ。
この作品は人間の罪、そして少年の成長に焦点を当てて描かれている。
特筆すべき点は、書道を音で表現している点。それだけ、この作者の才能を感じる。
しかし、これは決してこの作者のマイナス面ではない。プラス面だ。
この作品は人間の罪、そして少年の成長に焦点を当てて描かれている。
特筆すべき点は、書道を音で表現している点。それだけ、この作者の才能を感じる。
人間とは おすすめ度
とても面白く一気に読みました。
「煙か土か食べ物」「好き好き・・」を読み終えた時にも感動しましたが、また違う深い感動を覚えました。
「煙か土か食べ物」「好き好き・・」を読み終えた時にも感動しましたが、また違う深い感動を覚えました。
人と動物の違いは何か。欲望や情熱を追求し高めていったところに芸術や文化があるのだとすれば、
お行儀良く美しく文化的に行えば、酒池肉林も人肉を食することさえも
文化的でありうるのではないか・・。
あらゆる常識やタブーやルールが意味を成さない世界で、
淡々と全てを丸呑みにして自分らしくあることに拘って生きようとする少年。
人間であるとは?
罪とは?という問いかけに、とても熱い想いを感じました。
自我の境界を曖昧にする おすすめ度
人間でありながら、馬のような鬣を背中に持つ
その鬣は、主人公成雄が13歳になってすぐ発芽したが、もちろん父にも、祖父にも、祖父の祖父にも代々受け継がれている。
獣のような鬣を気に病んでいた13歳が、オリンピックの引き抜きを断わり、山の中で書道の弟子になる
書の奥深い世界をさ迷う成雄は、現実の境界を飛び越えた世界に足を踏み入れる
獣の象徴である鬣を剃った成雄は、獣のように人を殺す
人が人を盆にし、人を食す行為
人間の自我は何を持って支えられているのか
中途半端なプライドで世間に振り回されるのではなく、強烈な個性で捻じ伏せる
主人公成雄が、芯から強く、獣を内に共存させて人間社会に降りてくる結末
念仏のような文体に、密かに笑う
その鬣は、主人公成雄が13歳になってすぐ発芽したが、もちろん父にも、祖父にも、祖父の祖父にも代々受け継がれている。
獣のような鬣を気に病んでいた13歳が、オリンピックの引き抜きを断わり、山の中で書道の弟子になる
書の奥深い世界をさ迷う成雄は、現実の境界を飛び越えた世界に足を踏み入れる
獣の象徴である鬣を剃った成雄は、獣のように人を殺す
人が人を盆にし、人を食す行為
人間の自我は何を持って支えられているのか
中途半端なプライドで世間に振り回されるのではなく、強烈な個性で捻じ伏せる
主人公成雄が、芯から強く、獣を内に共存させて人間社会に降りてくる結末
念仏のような文体に、密かに笑う
禅 おすすめ度
この本は長編小説のスタイルをとった禅の「公案」ですね。
京極夏彦の「鉄鼠の檻」を読んだ直後に読めばすぐに思い至るはずです。
公案には論理的なアプローチは通用しません。
この本も論理的な思考によっては読み解けません。
したがってこの本に対して「意味が分からない」という批判をするのは的外れです。
京極夏彦の「鉄鼠の檻」を読んだ直後に読めばすぐに思い至るはずです。
公案には論理的なアプローチは通用しません。
この本も論理的な思考によっては読み解けません。
したがってこの本に対して「意味が分からない」という批判をするのは的外れです。
わざと意味が分からないように書いているからです。
この本を「公案」だと看破せずに、普通の小説だと思って読むと苦痛を味わうかもしれません。
しかし理解した上で読めば作者の凄さが感じられるかと思います。
読むべし おすすめ度
舞城作品のよさは、その濃密な独特の文章と予断をゆるさない非情なまでのストーリー展開である。本書もその例にもれない。この薄い本の持つパワーは、巨大だ。閉鎖的な場を舞台にしながら、驚くほどの空間的広さを感じる。疾走感と奇妙なガジェットがあわさり、まるでディックの悪夢世界だ。
どうのこうのいってもはじまらない。とにかく読むべし。クラクラすること間違いなしである。

