中原の虹 第一巻
作者 浅田 次郎
価格 1,680 円
出版社名 講談社
出版年月 2006/09/25
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    第42回 吉川英治文学賞   受賞
英雄たちが、大地を駆ける。 隠された王者の証「龍玉」を求めて、壮大な冒険が、いま幕を開ける。 人間の強さと美しさを描ききった中国歴史小説、刊行開始! 「鬼でも仏でもねえ。俺様は、張作霖だ」 「汝、満州の覇者となれ」と予言を受けた貧しき青年、張作霖。のちに満州馬賊の長となるその男は、大いなる国の未来を、手に入れるのか。 栄華を誇った王朝に落日が迫り、新たなる英雄が生まれる。

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■読者の評価     おすすめ度平均

張作霖、格好いい       おすすめ度
張作霖をとても格好よく描いた作品です。
非常に面白いですね。

1巻では、以下の一節が「リーダーのあり方」として一つあるのかなあと思いました。
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袁世凱は鶏よりも早起きである。
それだけならばとりたてて珍しくもないが、梟よりも夜更かしであった。
副官や秘書官がたびたび交代するのは、べつに袁が馘首するからではなく、疲労の余り病気になるか、激務に嫌気がさして辞職を願い出るからである。
遅寝早起きというだけならまだよい。その巨躯には人間離れした活力が漲っており、行動の迅速さは若い部下たちの追随をゆるさなかった。
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張作霖の青春       おすすめ度
馬賊の首領・・として有名な
張作霖の登場。

馬賊のどのメンバーたちの氏素性も
悲しい過去・・

国家が機能しない社会で、
軍閥や馬賊がそれを補完する・・でも、十分にカバーできるはずもなく。

「蒼穹の昴」以来の愛すべき主人公たち・・

 李春雲(リイチュンユン)の兄の存在・・
 これからの春雲との絡みも楽しみです。


壮大な歴史ロマン・・・       おすすめ度
哀しいかな、人物名が記憶の底にあるだけで、歴史の背景を殆ど忘れてしまっている私ですが、清朝末期の中国の混乱、諸外国による干渉の激化を描くにとどまらず、家族とは、民族とは何かを問う物語でもあり、人物描写も巧みで、「龍玉」のロマン的要素も盛り込まれていて、思わず引き込まれてしまいました。



西太后       おすすめ度
はじめて「蒼穹の昴」を読んだのが
たぶん10年ぐらい前、
それ以来読む本がなくなると
浅田さんの本のお世話になっています。
普通は気に入ったフレーズをチェックするんですが、
浅田さんの本を読むときは
それよりも登場するキャラクターをチェック
今回はなんと言っても
「西太后」が最高
総督との会話だけでも私には満足です、
彼女「蒼穹の昴」にも出てきたんですよね。
第2巻以降も登場してくれることを祈っています。


壮大な歴史物語に登場する任侠の世界       おすすめ度
 『蒼穹の昴』の最終巻で描かれた、戊戌の政変から10年が経過しました。
 義和団の乱、日露戦争が勃発し、清王朝がますます国力を失うなか、飢えることのない世の中を作ろう、民の苦しみを除こうとする青年主人公が登場します。

 その名は張作霖。満洲馬賊の長、総攬把です。

 清王朝を見限った張作霖は、自らの天命の証として「竜玉」を探し出しましたが、自分は満州の覇者で終わることを悟り、息子の張学良に「竜玉」を託しました。
 監禁されている光緒帝が、袁世凱に「竜玉」の秘密を打ち明け、張作霖が清国の正規軍をしのぐ勢いに勢力を伸ばし、さあ、両雄の対決近し……、というところで、第1巻は終了しました。

 物語の縦糸は、壮大な歴史物語ですが、浅田次郎が綴る横糸は、任侠の世界そのものです。
 張作霖は幼いころに父を亡くし、貧しさの中で育ちました。同じように働き手を亡くし、故郷の村を捨てた春雷(もう一人の主人公)は、自分ひとりが生きるために家族を捨てたことが悔悟の念となって、心の奥底に沈んでいます。

 故郷を捨てた日、どうしようもない(没法子《メイファーヅ》)と口にする春雷を、兄の親友は叱りました。
  「おまえも弟や妹の身の上を心配する兄貴ならば、そんな下らん文句は
   二度と口にするな。
   没法子だと思えば、人は一歩も前に進めない。誰も生きてはいけない。
   いいな、春雷。俺と約束しろ。
   そうすればきっと、ひとりぼっちでも生きていける」

 張作霖も春雷も、弱い者、虐げられた人々に共感の涙を流し、飢えないですむ社会を作るため、血を流し続けます。
 やくざ小説でデビューし、任侠の世界を描いては天下一品の浅田次郎が書く物語は、やはり義理・人情が似合います。

 心にジーンとくる小説であることは請け合いですが、できれば、『蒼穹の昴』を先に読むことをお薦めします。