ノルゲ Norge
作者 佐伯 一麦
価格 2,205 円
出版社名 講談社
出版年月 2007/06/29
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    第60回 野間文芸賞   受賞
妻の留学に同行するため、ノルウェーに旅立った主人公。北欧の透き通った空気、太陽とともにある季節。さまざまな人びと、そして言葉との出会い…。ノルウェーでの1年の体験、その心に映るものを織りあわせた長篇小説。

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■読者の評価     おすすめ度平均

楽しめた小説       おすすめ度
16から17年ぶりに佐伯氏の5冊目の小説を読んだ。
短編しか書かない人かと思っていたら、しっかりと長編小説も書いていた。
初期作品と比べ私小説を前面に押し出すこともなく、通勤電車の中で片道20ページずつ2週間楽しめた。
書評としては第1投稿者の方が的確に書かれているので、私として書くべきものはないが、
高卒の元電気工は演じ続けて欲しい。
とは言っても、これから読んでいない氏の作品を読んでみようと言う気にさせる魅力をこの作品は持っています。


進化する私小説       おすすめ度
 「ノルゲ」は、私小説家・佐伯一麦が、草木染織家である今の奥さん(つまり後妻)に随行する形で、1年間ノルウェーで過ごした体験を綴った小説だ。佐伯の(現時点での)ベスト作品と断言して良いだろう。
 ノルウェーというあまり馴染みのない国を対象とすることで、旅行記的な観点でも興味深く、また異文化論も読みとることができる。また、彼の文学分野、クラシック分野、美術分野に関する幅広い素養/教養も顔を出す。私小説でありながら、そのような普遍性が認められるのである。
 また、これまでの作品では、構成や語り口が素直すぎて、やや物足りなさを覚えたが、この作品では、小説全体を通奏するテーマがあり、象徴化やメタフォアといった小説技法が顔を見せる。高校時代に水泳部で同じ五右衛門風呂に浸かった仲間として失礼な言い方を許して戴くなら、佐伯は本作で真の小説家になったのではないかと思う。いろいろな方に読んでもらいたい作品だ。