|
|
|||||||||||
|
||||||||||||
|
|
||||||||||||
■読者の評価
おすすめ度平均
嫌いではない。 おすすめ度
心地よく物語世界に身を委ねることができた。一息で読み切れたといっていい。
だが、読後感は《ただ物語を消費しただけ》といった印象である。
類似の印象は、たとえばサバチニ『スカラムーシュ』などがそうだった。
ただ、サバチニが痛快なる大団円の冒険ロマンであるのに比べ、
こちらの物語はどこか露悪的で、ときに不快でしかないような展開をする。
嫌いではない。
質も、翻訳で読むサバチニなどよりはずっと上等だろう。
だが、作品の売りがみえない。
何を徹底的に研ぎ澄ました作品なのか、よく伝わらない。
少なくとも、突き抜けて訴えかけてくる強烈な要素はなかった。
ある種の読書家にとっては手堅い作品なのだろうか。
しかし、まず万人向けの浅く親切なエンターテイメントといったようなものではないし、
また、作品の先に一言では語りきれない「何か」を求めるような読者にも、
得られるものは少ないかもしれない。
追記:鴻巣友季子さんが朝日新聞に書いた書評が興味深かった。
だが、読後感は《ただ物語を消費しただけ》といった印象である。
類似の印象は、たとえばサバチニ『スカラムーシュ』などがそうだった。
ただ、サバチニが痛快なる大団円の冒険ロマンであるのに比べ、
こちらの物語はどこか露悪的で、ときに不快でしかないような展開をする。
嫌いではない。
質も、翻訳で読むサバチニなどよりはずっと上等だろう。
だが、作品の売りがみえない。
何を徹底的に研ぎ澄ました作品なのか、よく伝わらない。
少なくとも、突き抜けて訴えかけてくる強烈な要素はなかった。
ある種の読書家にとっては手堅い作品なのだろうか。
しかし、まず万人向けの浅く親切なエンターテイメントといったようなものではないし、
また、作品の先に一言では語りきれない「何か」を求めるような読者にも、
得られるものは少ないかもしれない。
追記:鴻巣友季子さんが朝日新聞に書いた書評が興味深かった。
理屈で読むものではない おすすめ度
デビュー作からずっと読んできたが、初めて「私ってちゃんとわかっているのだろーか」という不安を抱かずに読了できた作品だ。ファンとしてこれほど幸せなことはない。読んだ後のそういう屁理屈を一切寄せ付けない。最初に2〜3ページ立ち読みしてみて(幸か不幸か、賞を受けたので書店に平積みされている)、文章の勢いにのれない方はさっさとおりた方がいい。行けると思った方は、そのまま勢いにまかせて最後まで読めば、それでいい。感情移入まではいかなくても、魅力に富んだ強情っ張りが山ほど出てきて、そのあたりが実に美味しい。
ヘタではないが名文とも思えない おすすめ度
ロシアの田舎地主の馬鹿息子を主人公にしたノワールぽい文学。
会話文に「」を使わず、メリハリのある描写というよりは、
淡々とした説明がダラダラと続き、
ストーリー展開は早いんだが、
主人公が糞なこともあり、
感情移入してのめりこめないツマラン文学。
第一次大戦やロシア革命の時代が好きな人にしか受けないだろう。
広大なロシアを舞台にしてるのに、
偶然の出会いが多すぎないか?
これよりはドイツものの、
皆川博子 の『死の泉』 の方がまだまし。
会話文に「」を使わず、メリハリのある描写というよりは、
淡々とした説明がダラダラと続き、
ストーリー展開は早いんだが、
主人公が糞なこともあり、
感情移入してのめりこめないツマラン文学。
第一次大戦やロシア革命の時代が好きな人にしか受けないだろう。
広大なロシアを舞台にしてるのに、
偶然の出会いが多すぎないか?
これよりはドイツものの、
皆川博子 の『死の泉』 の方がまだまし。
ひたすらな暴力 おすすめ度
ロシア革命期,革命の奔流とは全く無関係なところで,アナーキーな暴力に明け暮れた「ぼく」たち。やりたいだけの暴力を振るい,敵対グループなどに捕まったら強姦などの暴力を振るわれながら生きていく姿は,なんともつらく,戦争や革命の持つ「恐ろしい」側面をうまく描き出していたように思う。
「ぼく」は,次のように思う。
《人間を人間の格好にさせておくものが何か,ぼくは時々考えることがあった。(中略)ぼくはまだ人間であるかのように扱われ,だから人間であるかのように振舞った。それをひとつずつ剥ぎ取られ,最後のひとつを自分で引き剥がした後も,ぼくは人間のふりをして立っていた。数え切れないくらいの略奪と数を数えることさえしなくなった人殺しの後も,人を殺して身ぐるみを剥ぎ,機銃と手榴弾で襲って報酬を得ることを覚えても,ぼくはまだ人間のような顔をしていることができた。》(269〜270頁)
しかし,仲間から離れ,独りっきりになった「ぼく」は,「人間の格好をしていない」(270頁)何者かになってしまった。
重苦しくて,嫌な話だけど,佐藤亜紀の作った壮大な(虚構の)叙事詩に浸ってみるのも,悪くないのではなかろうか。
「ぼく」は,次のように思う。
《人間を人間の格好にさせておくものが何か,ぼくは時々考えることがあった。(中略)ぼくはまだ人間であるかのように扱われ,だから人間であるかのように振舞った。それをひとつずつ剥ぎ取られ,最後のひとつを自分で引き剥がした後も,ぼくは人間のふりをして立っていた。数え切れないくらいの略奪と数を数えることさえしなくなった人殺しの後も,人を殺して身ぐるみを剥ぎ,機銃と手榴弾で襲って報酬を得ることを覚えても,ぼくはまだ人間のような顔をしていることができた。》(269〜270頁)
しかし,仲間から離れ,独りっきりになった「ぼく」は,「人間の格好をしていない」(270頁)何者かになってしまった。
重苦しくて,嫌な話だけど,佐藤亜紀の作った壮大な(虚構の)叙事詩に浸ってみるのも,悪くないのではなかろうか。
かなり微妙・・・。 おすすめ度
モチーフ自体はは興味深いものではあった。
が、一見深く人間を抉っているように見えてその実は表層をスプーンですくった程度で終わってしまっている。ありきたりであり、特筆すべき点もない。
さらに文体の読みにくさは酷いの一言である。これは文章が上手いとか下手とかのレベルではない。作者は本当に読者の目を意識しているのであろうか。もしも難解な語を使うのが良いとでも考えているのであれば、小説家としての作者の資質を疑わざるを得ない。
が、一見深く人間を抉っているように見えてその実は表層をスプーンですくった程度で終わってしまっている。ありきたりであり、特筆すべき点もない。
さらに文体の読みにくさは酷いの一言である。これは文章が上手いとか下手とかのレベルではない。作者は本当に読者の目を意識しているのであろうか。もしも難解な語を使うのが良いとでも考えているのであれば、小説家としての作者の資質を疑わざるを得ない。

