中原の虹 第四巻
作者 浅田 次郎
価格 1,680 円
出版社名 講談社
出版年月 2007/11/06
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■読者の評価     おすすめ度平均

大物同士の対話が面白かったです       おすすめ度
清王朝の終焉が非常にダイナミックに描かれていました。

大物同士の対話が面白かったです。
宋教仁と張作霖
宣統帝と西太后
袁世凱と李鴻章
とのコミュニケーションが面白かったです。

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張作霖
「どうしようもねえなんて、この世にあるものか。どうしようもなけりゃ、どうにかすりゃいいんだ。」

処世のコツというのは、いかにして義理に縛られぬかに尽きる。義理は魔物だ。どれほどの才能も努力も、義理にからめば空費されてしまう。つまり、「君を大総統にしてやった」という義理の縄を、袁(世凱)はたくみに避けた。「俺が大総統になるほかなかった」という論理、ひいては「俺がなってやった」という逆の義理を、袁世凱は孫文につきつけたことになる。

張作霖
危ねえことはたいがいにしておけ。
どだい人間がひとりでできることなんて、たかが知れているんだ。幸い俺様はいい子分に恵まれたが、おまえには誰もいやしねえだろう。だから、無理はするな。



ついに万里の長城を越えて中原の覇へ       おすすめ度
 「中原の虹」の完結編です。

 中華民国が成立し、袁世凱が臨時大総統に就任した後、
 政権内部に留まり、大総統となった袁世凱の独裁を防ぐため、
 議院内閣制の導入を画策した人物がいたこと・・に感動!

 東北三省・・馬賊を中心に、正規軍をも組み込んで100万の兵を配下に
 したがえた張作霖が、いよいよ動きます。

 「蒼穹の昴」以来の登場人物も描かれ、
 この後に続く、満州国の建国前夜の様相等々・・
 浅田さんワールド、
 次回作をいまから楽しみにしています。


歴史に疎い私       おすすめ度
全巻完結してから一気に読めば、もっともっと、この小説の醍醐味を味わえたと思う。

そう思うと、このシリーズが出る度すぐ買いすぐ読んでしまった自分が恨めしい。

2巻から3巻、3巻から4巻と、それぞれ数ヶ月の間を空けて読んだのだけど、それでもやはりこの大作には星5つの評価。

今からこの小説を読み始める人には、全巻一気に読むという選択肢があると思うと、うらやましくてしょうがない。

何年か後、「蒼穹の昴」から一気に読み直そうかと、今から考えている次第。


言葉一つひとつの構成が酔わせてくれた       おすすめ度
蒼穹の昴を偶然手に取ってから文庫しか購入しないと決めている私をこの2年弱単行本でも早くよみたい気持にさせてくれた。歴史が得意でない人もその丁寧で丹精な無駄の無い言葉と構成で読み進むことができると思われる。1巻〜順次刊行されていく中で、何度読み返したことだろう。李兄弟の再会でかなりの涙をながし、その後もうクライマックスはないかと思っていたが、自分の浅はかさが感じられる。長城を超えた勇者たちについてももっと詳しくしりたくなってしまった。


超大河ロマン、ついに完結       おすすめ度
 「蒼穹の昴」から続く龍玉シリーズが、また一つ完結を向かえた。最初から読んでいる人は、思い入れも大きいだろう。蒼穹の昴を読み終わった時に、圧倒的な感動と、終わってしまった・・・、という虚脱感を感じたが、今作でも同じ思いを味わった。
 今作の大きな見せ場の一つで、前作の主人公、李春雲はついに兄の李春雷と再会する。その事実だけで私は泣けてしまうが、悲しい再会のなかに見た兄弟愛に感動した。そして李春雷にはもう一つの再会がある。そのシーンの春雷の言葉に涙があふれた。浅田次郎という人は、どうしてこんなセリフが思いつくのか・・。
 もう一つ、私を泣かせた場面がある。蒼穹の昴からずっと出ていたあるキャラが物語中盤で死んでしまう。これには参った。もともと大好きなキャラだったし、中国を最後まで見守ってほしい人物であった。その最後も壮絶で、ただ悲しくて、涙がとまらなかった。
 ただし、今作の主役はあくまで張作霖である。彼はヒールっぽいキャラなのだが、頭がよく、とにかくかっこいい。それでいてセリフや行動の端々に見せる深い優しさ。李春雲に続く主役として、素晴らしい活躍を見せてくれた。最終章で、過去の英雄と張作霖がシンクロするシーンは最高である。この構成力、盛り上げ方は見事というほかない。
 私はこの作品は特別な感情を持っている。小説の面白さ、活字の素晴らしさがこの上なく堪能できる。龍玉シリーズはこれで終わりではないらしい。次回作を心から楽しみにしたいと思う。
 最後に、今作のテーマ「我が勲(いさおし)は民の平安」。今の日本の政治家に言ってほしいセリフである。