ウランバーナの森 (講談社文庫)
作者 奥田 英朗
価格 600 円
出版社名 講談社
出版年月 2000/08
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■読者の評価     おすすめ度平均

世紀のポップスター、ジョンに起こる奇妙な出来事の数々・・・       おすすめ度
 軽井沢で夏の間を過ごしていたジョンは、ひどい便秘に悩まされ、ついには病院で治療をうけることになり、その診療の帰り道に、靄のかかった森で心に引っかかっていた人たちと出会う・・・。(もちろん相手はすでに死んでしまっている人たち・・・。つまり亡霊。) 
 
 最後に母親の亡霊も現れ、ジョンは母親と確執があったため、会うのをためらいますが、母親の生い立ちを知り、母親の愛情を知る・・・。

 この作品って、奥田氏のデビュー作なんですね。伊良部シリーズのような笑いはありませんが、心が癒される効果は充分の作品だと思います。 お手伝いのタオさんがいい味でててます。


他にない感じ       おすすめ度
新鮮でしたね。便秘って(笑)
でも、真剣なんです(笑)いやでも、本当に便秘は大変ですからね。笑ってちゃいけませんね。

「病気のつらさは、それが生活のすべてになってしまうこと」ってことを言っていて共感しました。病気の機嫌をとって、これはいい、これは悪いって振りまわされるんですよね。自分で選んで食べたり遊んだりできなくて、病気が選んじゃうんですね。

もう一つ、心に響いた台詞が。ジョンの便秘がひどくて、医師は「でなくてもいいんでは?」というんです。でも、ジョンは「???」って感じで納得できなくて。その他諸々伏線はあるのですが、まぁそういう状況での医師の台詞の一つです。

「人間にしろ、動物にしろ、生きていくうえでしなければならないことなど実はひとつもないのです。読まなければならない本もなければ、会わなければならない人もいない。食べなければならないものもなければ、行かなければならない学校もない。権利はある。しかし義務はない。してはいけないことがいくつか存在するだけで、しなければならないことは何もないのです。あなたは《かくあるべし》という気持ちが強すぎる」

なんだか考えさせられてしまいましたね。そういう視点では非常に好きな本です。描かれているメッセージが好きです。
ストーリー展開的には、先が読めませんね。確かにちょっとしんどいかもですね。


ちょっと合わなかったかも       おすすめ度
モデルはジョンレノンですよね。
本物のジョンが実際に姿を隠していた頃の話だったっけかな?
もちろんフィクションで
困難だったら面白いだろうなぁ〜って想像だと思うんですけど。

で、そのジョンは軽井沢でひどい便秘に悩まされていた。
耐え切れなくなって病院に言ったジョンの元に
過去の亡霊たちが現れてくる。
すでに死んだ人たちとの交信を図ることで
ジョンは自分の過去と向かい合っていく。

あ〜精神世界のおはなしだぁ〜。
とはいえ、そこは奥田英朗。
そんなにへんなほうにも走らずに
上手い具合に均衡を保っています。

でも、すごく彼の作品の中では読みにくい作品でした。
しかも、伊良部先生シリーズを読んだ後に読んだものだから
その差になかなか追いつけませんでした。


僕の印象は薄いが。。。       おすすめ度
 正直これまで読んだ奥田作品の中で一番面白くなかった。それはきっと時代背景が、いわゆる「ジョン=レノン」が生きた時代だから、僕にはうまく想像できないからかもしれない。いや、絶対そう。
 ただ僕のような年代の人にはちょっと面白みや印象に欠けるのだと思う。


珠玉の処女長篇       おすすめ度
最近通い出したいきつけのカフェではいつもビートルズのナンバーが流れている。そこのソファに深くもぐりこんで本書を読めたことは小確幸であった。「ジョン」関連の書籍に空白の4年間があると作者はいう。ふたりのこどもがまだ小さかった頃、夏がくると来日し軽井沢でおだやかな日々を過ごしていたそうだ。そんなある年の夏の数日間の出来事が小説化されている。直木賞受賞作の伊良部医師の一連の短篇集の原点を垣間見ることができるかも知れない。主人公が森を彷徨ううちに行き着く「こちら側」と「あちら側」の境界線が最後まで曖昧なままなのも深く余韻を残している。全篇を通してたちこめるやさしさの気配が読んでいて心地よい。読了後、私も少し再生されたかも。