|
|
|||||||||||
|
||||||||||||
|
|
||||||||||||
■読者の評価
おすすめ度平均
村上龍のキャラクター小説 おすすめ度
「もし現代日本に世界的な演技力を持った女の子が現れたら」と言う設定をもとに書かれた小説。一応、最後まで読ませる面白さを持っているが、円満な成功作とは言い難い。 世界的な演技力を持つ女の子が日本の世間に拡げる波紋が小説に描かれているのだが、所々、大袈裟、リアルでないと思える所もあり、少し興冷め。 ただ、村上龍の現代日本に対する批評部分は興味深く、一読のは価値あるかも。
圧倒的に憂鬱な小説 おすすめ度
コインロッカーベイビーズや五分後の世界といった、いわゆる”構築系”の作品を除けば、この作品が村上龍の小説の中でベストかもしれない、と今の僕は思う。
単行本も持っていて、そっちも3回ぐらい読んで、最後の章は20回ぐらい読んでいて、最近また、電車の中で読み返したいなあと思って、この文庫版も買いました。
じゃあ、そんなにこの小説が好きなのかというと、どちらかと言うと、好きではありません。好きなのではなく、必要だから読んでいる、という感じです。
この小説は、圧倒的に憂鬱な小説です。しかも、主人公の距離が、非常に読者と近い。
だから、読んでいるこっちもとても憂鬱になるのだけれど、おそらく、僕はこの憂鬱さを自覚したいから読むのだと思う。
この作品のことばを借りるとすれば、この世の中には憂鬱と退屈しかない。僕は、退屈に飲み込まれそうになるときに、この作品を読むのかもしれない。
ただ、できれば、この小説を読まないですむような人生を送りたいな、とも思います。こういう憂鬱な小説を読まないでも、自分のプライドを保って生きていけるような人生を送りたい。そういった意味で、読んでいて、自分の現状にムカついたり嫌な気分になったりするのだけれど、読むことでいろんなことが明確になる小説です。
最後に、この小説で素晴らしい文章を。
〜オレは無力感と出会えたのだ、無力感によって何かが始まるなんてのは大嘘だ、だが無力感だけが自分の輪郭を認識させる、考えてみればすぐにわかる、オレはまわりと際立っているのを無力感によってのみ確かめてきた、別に無力感なんかほしいとは思わないし、それは二十代の後半になると退屈の裏側にうまく隠れてくれるものだ、そしてある時世界に亀裂が入り、唯一の真実という装いで無力感が押し寄せる〜
ただ、この文章だけ読んでも、何も届かないと思います。だからこそ、物語のかたちで、小説というものが存在するのでしょうね。
単行本も持っていて、そっちも3回ぐらい読んで、最後の章は20回ぐらい読んでいて、最近また、電車の中で読み返したいなあと思って、この文庫版も買いました。
じゃあ、そんなにこの小説が好きなのかというと、どちらかと言うと、好きではありません。好きなのではなく、必要だから読んでいる、という感じです。
この小説は、圧倒的に憂鬱な小説です。しかも、主人公の距離が、非常に読者と近い。
だから、読んでいるこっちもとても憂鬱になるのだけれど、おそらく、僕はこの憂鬱さを自覚したいから読むのだと思う。
この作品のことばを借りるとすれば、この世の中には憂鬱と退屈しかない。僕は、退屈に飲み込まれそうになるときに、この作品を読むのかもしれない。
ただ、できれば、この小説を読まないですむような人生を送りたいな、とも思います。こういう憂鬱な小説を読まないでも、自分のプライドを保って生きていけるような人生を送りたい。そういった意味で、読んでいて、自分の現状にムカついたり嫌な気分になったりするのだけれど、読むことでいろんなことが明確になる小説です。
最後に、この小説で素晴らしい文章を。
〜オレは無力感と出会えたのだ、無力感によって何かが始まるなんてのは大嘘だ、だが無力感だけが自分の輪郭を認識させる、考えてみればすぐにわかる、オレはまわりと際立っているのを無力感によってのみ確かめてきた、別に無力感なんかほしいとは思わないし、それは二十代の後半になると退屈の裏側にうまく隠れてくれるものだ、そしてある時世界に亀裂が入り、唯一の真実という装いで無力感が押し寄せる〜
ただ、この文章だけ読んでも、何も届かないと思います。だからこそ、物語のかたちで、小説というものが存在するのでしょうね。
圧倒的描写力 おすすめ度
彼らしい、なかなか良い作品でした。
解説にもあるとおり、序盤の構成は彼らしいマシンガンのような文章ではなく、なんだか軸の定まらないフアフアした文章で、少し嫌気が差します。
と、思いきや序盤の後半あたりから一気にエンジン全開、物語は急速に速度を上げ、めまぐるしい展開を見せます。
読んでいればわかるが、この作品は、後に谷崎潤一郎賞を受賞する『共生虫』に繋がる一つのターニングポイントとなる重要な作品だ。
この小説のストーリーも充分に面白いのだが、それよりも何よりも、今回僕的に「やっぱり村上龍は天才だ」と強く感じたのは、その文章力。
特に終盤の撮影現場における人間達の描写。
ここのリアリティーは半端じゃない。
まるで映像を見ているかのような綿密な描写。
ここだけでも良いから読んで欲しい。
また、288ページ後半から290ページ最後までの自己嫌悪についての文章。
まるで論説文のように硬質な文章なのだが、そこには圧倒的な文章力と、力強さと、メッセージ性がある。
興奮した僕は思わずヒースロー空港ロビーにて、隣にいる岩田君に、音読してこの文章を聞かせた。
最後にもっとも村上龍らしさを表した端的な一文でこのレビューを締めくくりたいと思う。
春樹なら絶対に書かない。
P350より
「この女はどうして不特定多数の人に顔を晒す職業をわざわざ選んだんだろう、というようなウエイトレスが…」
解説にもあるとおり、序盤の構成は彼らしいマシンガンのような文章ではなく、なんだか軸の定まらないフアフアした文章で、少し嫌気が差します。
と、思いきや序盤の後半あたりから一気にエンジン全開、物語は急速に速度を上げ、めまぐるしい展開を見せます。
読んでいればわかるが、この作品は、後に谷崎潤一郎賞を受賞する『共生虫』に繋がる一つのターニングポイントとなる重要な作品だ。
この小説のストーリーも充分に面白いのだが、それよりも何よりも、今回僕的に「やっぱり村上龍は天才だ」と強く感じたのは、その文章力。
特に終盤の撮影現場における人間達の描写。
ここのリアリティーは半端じゃない。
まるで映像を見ているかのような綿密な描写。
ここだけでも良いから読んで欲しい。
また、288ページ後半から290ページ最後までの自己嫌悪についての文章。
まるで論説文のように硬質な文章なのだが、そこには圧倒的な文章力と、力強さと、メッセージ性がある。
興奮した僕は思わずヒースロー空港ロビーにて、隣にいる岩田君に、音読してこの文章を聞かせた。
最後にもっとも村上龍らしさを表した端的な一文でこのレビューを締めくくりたいと思う。
春樹なら絶対に書かない。
P350より
「この女はどうして不特定多数の人に顔を晒す職業をわざわざ選んだんだろう、というようなウエイトレスが…」
絶望的な気分にさせられる小説 おすすめ度
この小説の目次を見ると、そこにはドアーズの「ストレンジ・デイズ」を始めとする、ロックの名曲の数々のタイトルが表記されている。最初はその楽曲と、歌うアーティストと共に物語は進んで行く事になるが、途中から物語がメインとなり、音楽の事はあまり関わりが無くなってしまう。だが、物語の根幹の部分で、これらアーティスト達と繋がりがあって、登場するヒロインのジュンコと彼等を重ね合わせた上で、絶望というものを描いているように思う。
ジム・モリスンにしてもルー・リードにしても、ジミヘンにしても、誰もが到達できない才能を持ち合わせたアーティストだ。そして、彼等と同じような才能を持ち合わせたジュンコという対象を目の前に、自分の無力さというのを痛感していく主人公の反町は、次々と絶望と対峙することとなる。僕自身この小説を読んでいて、反町と同じく自分の無力さを思い知ったし、絶望的な気分にさせられた。
ただ、この小説は読者をただ絶望させるだけの話ではないように思う。ラストで反町は自分の無力さを明確に受け入れ、そこから希望というのを見出そうとしている。これは予想でしかないが、何かをする上で、自分の力が完全に及ばないという絶望は誰しも感じるもので、村上龍自身も多くの絶望と対峙し、そしてそれを受け入れてきたのだと思う。それが自分がやりたいと望むものに対する為に必要な過程であり、その先にいかに希望を見出していくかが大切なのだと物語をもって伝えているのではないか?と思った。
ジム・モリスンにしてもルー・リードにしても、ジミヘンにしても、誰もが到達できない才能を持ち合わせたアーティストだ。そして、彼等と同じような才能を持ち合わせたジュンコという対象を目の前に、自分の無力さというのを痛感していく主人公の反町は、次々と絶望と対峙することとなる。僕自身この小説を読んでいて、反町と同じく自分の無力さを思い知ったし、絶望的な気分にさせられた。
ただ、この小説は読者をただ絶望させるだけの話ではないように思う。ラストで反町は自分の無力さを明確に受け入れ、そこから希望というのを見出そうとしている。これは予想でしかないが、何かをする上で、自分の力が完全に及ばないという絶望は誰しも感じるもので、村上龍自身も多くの絶望と対峙し、そしてそれを受け入れてきたのだと思う。それが自分がやりたいと望むものに対する為に必要な過程であり、その先にいかに希望を見出していくかが大切なのだと物語をもって伝えているのではないか?と思った。
平穏さと危機感と・・ おすすめ度
何だろう。構成はバラバラだし、彼独特の、非建設的な(あくまでも社会的なレベルで)世界観の中こそ宿る、あの熱い刃に抉られるような快感も無い。むしろ錆付いて冷え切ったボロボロの刃で、生殺しにされたような不快感が、読後に残る。そんな妙な読後感の根拠は、曖昧でどうでもいいものに侵食されていかざるを得ない、他と際立った存在の不可避な絶望感によるものだろう。ある種の人間から見たら、他の大多数の人間がうつつをにかしている世俗的な事が、限り無く馬鹿げて見えることがある。しかもそれはそう見えるだけではなくて、際立った個性や存在を活かし伸ばすことを禁じ、角を取ることが最優先事項となっている国では、ある人間には社会的強制力を持っている場合もある。それを「クソ食らえ」と一蹴できるのが若者だが、年を取るとなかなかそうはいかない。
この作品では、どうでもいいものに侵食されながら、なおもサバイヴしていこうという主人公の救いの無いような(だが真摯な)姿勢が描かれている。
バラバラで、パワーの出方も散漫だが、それがかえって妙にリアルに感じてしまう。
この作品では、どうでもいいものに侵食されながら、なおもサバイヴしていこうという主人公の救いの無いような(だが真摯な)姿勢が描かれている。
バラバラで、パワーの出方も散漫だが、それがかえって妙にリアルに感じてしまう。

