ほうかご探偵隊 (ミステリーランド)
作者 倉知 淳
価格 2,100 円
出版社名 講談社
出版年月 2004/11
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■読者の評価     おすすめ度平均

質の高い、真っ当な探偵小説       おすすめ度
小学校高学年向け、ということもあるのか
特殊な事物やシチュエーションは一切無し。
オーソドックスな造りなだけに、
誤魔化しが効かないという意味で
質の高い、真っ当な探偵小説である。

謎を解き明かす行為にではなく、
謎解きの過程こそがミステリーの真髄なのだという
シンプルながらその根源を説いている、
装丁も含めて、実は洗練された一冊。


書けそうで書けないが書いてみたい…       おすすめ度
星5つ、って言うのは必ずしも「最高」という意味ではないが、読んで楽しく、読後も爽やかな印象が残り、どこにも欠点が見当たらないという 実は稀有なほどの名作だという意味で。
倉知淳氏は静岡出身とのことで(僕も静岡生まれ),また年齢も僕と2つしか違わないせいか? どの作品も、まるで自分が書いているかのような錯覚を いつも覚える。また他の作家の数多の小説には,常人とは思えないほどの豊富な知識の下積みを感じることが多々あるが、倉知淳氏の作品は、自分でもミステリーを書けそう(で、もちろん書けないが)かも!ってな気を興させる。こんな作家は珍しいという意味でも、独特の存在。寡作なのが残念だが、逆に「オレも仕事辞めて書き出したら書けるペースかもしれない…」と、はたまた不遜な妄想を抱かせる。


懐かしい…       おすすめ度
冒頭の神宮寺くんの口調から、明智くんを連想しました。ら、やっぱり出ました江戸川乱歩!
江戸川乱歩に影響を受けた子供たちが、楽しく探偵ごっこをするという趣旨なんですが、可愛いをちょっと通り越して、凄いぞ龍之介くん!!って感じですw
龍之介くんのおじさんて、まさかあの方ですか?
容姿からしてそうですよね?

ラストは、本の中にはもっともっと楽しい話が詰まってるんだよ!というメッセージで終わりました。
私も小学生の時に江戸川乱歩にめちゃめちゃはまっていたので、著者のあとがきも楽しく読みましたv

少年探偵団じゃなく、少年探偵隊にしたところも、小学生らしくて可愛いですw
また明智探偵のシリーズを読み返してみたくなりましたv
あの言葉遣いが心地良いですよね。
たまに一巻を借りて読み返すんですが、今読んでも楽しいですv

探偵は謎を解く役割なわけですが、小学生の龍之介くんたら、人の裏側をあばくのは、あまり気持ちよくないって言ってます。
あの方の気持ちも同じなのでしょうか?
他の作品の登場人物がちょいっと出てくるのは、著者のファンにはたまらんですなv


かわいいミステリー       おすすめ度
誰も死んだり、傷ついたりしない、けれど本格的なミステリーです。

舞台は学校。
盗まれたのは展示してあった絵や巨大な招き猫、縦笛の真ん中の部分、飼育小屋のニワトリ。
探偵は小学生。

かわいらしい探偵たちがかわいらしい謎に取り組んでいきます。
でも、ミステリーとしての魅力もたっぷり。
良質なミステリーだと思います。



「男子」の本懐       おすすめ度
 ミステリーランド中最高作と言い切ってしまおう。
 ミステリーランドのコンセプトと刊行作品の実際との差異(断絶?)について、異論反論激論かまびすしいわけですが、まぁ学校図書館のさほど片隅でもない棚にズラーッと並んでいた大乱歩全集のその挿絵が結構エグかったというのが読書経験の原初にあるからという個人的な事情があるからかも知れませんが、なんと言うか、いい大人が真面目な顔して子どもたちに「毒」を与えるのは基本的にはモラリスティックなことだと思うわけですよ。免疫ないのは困るし。あんまりエグくてもアレなんですが。
 で、本作はそれとは対極的位置にある作品なんです。――が、ひねくれてますねえ。「名探偵」はかくあるべしという思い込みを遠慮なく脱臼させていくその手際はこの作者ならでは。この作品を読んだお子たちは、コナンやらダイチやらは、もうベタすぎて読めない――ということもないんでしょうが、まぁ冷笑的になるのは仕方ないんじゃないか。この作品は何も知らないお子たちに現代(現在)のミステリの洗練された手付きのその最良の部分を饗するという実に罪作りなものです。
 と同時に、この作品はある種の「男子」における、その滑稽さを、滑稽なまま容赦なく描き出した小説でもある。身につまされる「男子」のみなさんが多かろうと推測する次第でございます。
 というわけで、『猫丸先輩の空論』刮目して待て。
 (にしても、本書の表紙絵のポスター、販売してくれませんかね)