脳男 (講談社文庫)
作者 首藤 瓜於
価格 620 円
出版社名 講談社
出版年月 2003/09
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    第46回 江戸川乱歩賞   受賞
連続爆弾犯のアジトで見つかった、心を持たない男・鈴木一郎。逮捕後、新たな爆弾の在処を警察に告げた、この男は共犯者なのか。男の精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子は、彼の本性を探ろうとするが…。そして、男が入院する病院に爆弾が仕掛けられた。全選考委員が絶賛した超絶の江戸川乱歩賞受賞作。

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■読者の評価     おすすめ度平均

サスペンス性よりも、その病気について興味が沸いた。       おすすめ度
感情を持たないという病気、というか精神状態。
実在する病気です。
感情を持つということは、感情というバイアスによって物事を判断するということ。だから無駄なことは覚えないし、嫌なことはやらない。
この小説では、感情を持たない人物が主人公として登場します。
感情を持たないということはどういうことなのか、自分に当てはめて読んでいくと、結構感情移入できました。


プロット、設定が最高、人間描写が不満       おすすめ度
読んで損はありませんが、
残念な点もありました。
面白い小説です。

感情のない男を巡る謎、
連続爆弾テロ、
そし鈴木一郎。
設定は抜群に面白いと思いました。

後半、病院での緑川の爆弾テロのくだりもテンポよく進みます。
黙示録が反抗の背景にあるということもなかなか面白いプロットです。

惜しむらくは、人物描写が物足りなかった点です。
茶屋刑事は感情移入できるほどタフガイでもなく、女医鷲谷はケイのように問題を解決する訳でもない。
更に損をしているのは、緑川の内面が描かれていないこと。鈴木一郎の描写も物足りなかったと思います。
人物やその背景にもっと丁寧に書き込めたら、大傑作でしょう。

脳男Uを購入しました。
面白いということです。


前半と後半のギャップ       おすすめ度
「心を持たない男・鈴木一郎」、彼の誕生や現在に至るまでを探るくだりはぐいぐい引きこまれたが、後半のハードボイルドな展開は、鈴木一郎が「心を持たない」ということとあまりにかけ離れ、別の人間が登場しているかのような錯覚に陥るほど。
着眼点は面白く、もっと別な形で「鈴木一郎」を活躍させたらよかったのに、と思わせた。
こなれたベテラン作家を読み続けていると気づかないが、文章の運び、物語の組み立てが如何に難しいのか解らせてくれた本でもあった。


勝手ですが       おすすめ度
このタイトルはかなり衝撃的でした。
今、「脳」トレとか、「脳」って言葉にみんな敏感な気がするし。
主人公「脳男」の鈴木一郎は私の中で衝撃的でした。
痛みを感じない、一度見たものは二度と忘れない。
人の言う事を脳の中で理解しているのだがそこには「感情」と言うものがない、「人間」を演じている様にも見えるし、誰にも
手の届かない所に感情と言うものがあるような気がするし。
この人物に関しての模写が凄く絶妙に表現されていて
「悪」と「善」とは記憶の中で育っていくものなのか、
人間の本質なのだろうかと、精神論に近い感じがして、面白かった。

自分の中で「ターミネーター」を思い出した。

主人公ありきな感じで終わってしまいましたが、
サラッと読める文章は良かったです。


「脳男」…ぐっと興味惹かれるタイトルです。巧い。       おすすめ度
着眼点が非常に面白いと思いました。「脳男」と言う奇抜なタイトルも
幸いして一気にストーリーに溶け込めました。特に「心を持たない男・
鈴木一郎」に魅力を感じました。本格派ミステリーを期待している方に
はオススメできませんが、それ以外の方にはオススメできます。やはり
登場人物が魅力的というのは小説に限らずストーリーのあるものでは
必須ですよね。

中盤までは上記に書いた通り非常に楽しめたのですが、ラストに近づく
につれて勢いが薄れてしまった印象を受けました。やはり鈴木一郎の
魅力が薄れてしまったのが一番の原因かと…常軌を逸した人物で最後ま
で描いて欲しかったです。(非常に残念)

映画の原作としても使えそうなテーマなので是非映画化を。ただ、鈴木
一郎を表現するのは難しそうですね。それ程のキャラクタです。是非。