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■読者の評価
おすすめ度平均
忘れられなかった物語 おすすめ度
姉の殺害事件をきっかけに、後遺症で犬並みの嗅覚を持った
主人公が、'嗅覚'で犯人を追っていく・・・
設定だけで、斬新で魅力的。
単行本発売時に雑誌にっていた載ったわずかな紹介文の記憶
だけを頼りに、タイトルも作者すらわからないまま、
ずっと探し続けていた本でした。
そして、諦めずに探し続けた甲斐があったと感じた1冊です。
ミステリーとしてのストーリーもさることながら、
五感の一つである嗅覚をここまで文字で表現した
小説があるだろうか?というくらい、
目で見ることのできない、言語化しにくい感覚を
全編に渡って独特の表現で味わうことのできる稀有な作品。
ぐいぐい進むストーリーを追いかけながら、
普段無意識に使っている嗅覚という感覚を、
文章で味わうという快感。
文庫でも上下巻にわたる長編ながら、
一気に読めてしまうこと請け合いです。
最後の最後まで結末がわからない、
そして、安易な大団円には納まらない。
どこか切ないラストも含めて、ずっと手元に置いておきたい本。
主人公が、'嗅覚'で犯人を追っていく・・・
設定だけで、斬新で魅力的。
単行本発売時に雑誌にっていた載ったわずかな紹介文の記憶
だけを頼りに、タイトルも作者すらわからないまま、
ずっと探し続けていた本でした。
そして、諦めずに探し続けた甲斐があったと感じた1冊です。
ミステリーとしてのストーリーもさることながら、
五感の一つである嗅覚をここまで文字で表現した
小説があるだろうか?というくらい、
目で見ることのできない、言語化しにくい感覚を
全編に渡って独特の表現で味わうことのできる稀有な作品。
ぐいぐい進むストーリーを追いかけながら、
普段無意識に使っている嗅覚という感覚を、
文章で味わうという快感。
文庫でも上下巻にわたる長編ながら、
一気に読めてしまうこと請け合いです。
最後の最後まで結末がわからない、
そして、安易な大団円には納まらない。
どこか切ないラストも含めて、ずっと手元に置いておきたい本。
井上夢人の作り上げた匂いの世界 おすすめ度
井上夢人著 『オルファクトグラム』を読んだ。全編『匂い』に満ち満ちている。
ある日突然、犬かそれ以上の嗅覚をもってしまった主人公が殺人犯を追いつめるという、一応ミステリー仕立てとなっている。
岡嶋二人の片割れである井上夢人のミステリーは、プロット自体は新奇性もあってとても面白いのだが、往々にしてプロットを楽しむためだけに文字面を追っているように感じられることがある。まるであらすじを読んでいるようなプラスティック的な文体。
(そう言いながらしょっちゅう読んでいるということは一応私はファンと言えるのだろうが)
しかし、この作品に関しては、ミステリーとしての筋立ては平凡ながら、匂いの世界を、嗅覚を視覚に変えるという特殊な手段で、並々ならぬ美しいものに描き出すことに成功している。主人公の恋人に対する愛情も匂いの表現を通して確かに感じられた。
犬は人間の1億倍の嗅覚をもつというのに、なぜ臭い匂いを嗅いでも悶絶死しないのだろうか、というのが私の長年の疑問であった。
だが、この作品を読んで、その疑問は三ツ矢サイダーの泡のように消え去ってしまった。 犬にとって、匂いは臭いとか臭くないとかの問題じゃない。“すべてを知ること”なんだ。
主人公には、“匂い”が見える。美しい色と形をもった粒子としての匂い。恋人の匂い。友達の匂い。みんな違う形と色をしている。間違えることなんてない。その人の今の感情だって匂いの変化でわかる。風は美しい匂いの渦となって、動いているのが見えるんだ。
すべて作者の創造の世界ながら、十分な説得力で匂いの粒子の世界を旅させていただいた。
ある日突然、犬かそれ以上の嗅覚をもってしまった主人公が殺人犯を追いつめるという、一応ミステリー仕立てとなっている。
岡嶋二人の片割れである井上夢人のミステリーは、プロット自体は新奇性もあってとても面白いのだが、往々にしてプロットを楽しむためだけに文字面を追っているように感じられることがある。まるであらすじを読んでいるようなプラスティック的な文体。
(そう言いながらしょっちゅう読んでいるということは一応私はファンと言えるのだろうが)
しかし、この作品に関しては、ミステリーとしての筋立ては平凡ながら、匂いの世界を、嗅覚を視覚に変えるという特殊な手段で、並々ならぬ美しいものに描き出すことに成功している。主人公の恋人に対する愛情も匂いの表現を通して確かに感じられた。
犬は人間の1億倍の嗅覚をもつというのに、なぜ臭い匂いを嗅いでも悶絶死しないのだろうか、というのが私の長年の疑問であった。
だが、この作品を読んで、その疑問は三ツ矢サイダーの泡のように消え去ってしまった。 犬にとって、匂いは臭いとか臭くないとかの問題じゃない。“すべてを知ること”なんだ。
主人公には、“匂い”が見える。美しい色と形をもった粒子としての匂い。恋人の匂い。友達の匂い。みんな違う形と色をしている。間違えることなんてない。その人の今の感情だって匂いの変化でわかる。風は美しい匂いの渦となって、動いているのが見えるんだ。
すべて作者の創造の世界ながら、十分な説得力で匂いの粒子の世界を旅させていただいた。
嗅覚 おすすめ度
姉を殺した犯人に殴られ、目がさめた片桐稔は、異常な嗅覚を持つこととなった。犬のように僅かな臭いをかぎわけ、しかも、それを視覚的に(?)感じることができる。稔はその嗅覚を持って、失踪した同じバンドのメンバーと姉を殺した犯人を探そうと試みる。
とりあえず、上巻を読んだ時点での感想。
異常な臭覚を持ってしまった稔の戸惑い。臭いだけで、モノがわかってしまうこと。そのために、周りから奇異に見られてしまう行動…。そんな様子が比較的コミカルに描かれている。ところどころ、事件を起こしている「彼」の描写があるし、事件そのものはややエグい感じはするのだが、稔の方のコミカルなやりとりのおかげか、そんなにそれを感じることなく読んでいけた。
とはいえ、上巻では事件の真相などは全くわからないし、稔と「彼」がどう結びつくのか、犯人とバンド仲間の失踪がどう結びつくのかは全く不明。これがどう言う風になるのか注目したい。
一気に読めるほど面白かった! おすすめ度
上下巻揃うと結構な分量であるのだけど、共に勢いに乗って一晩で読み終わることができました。主人公は犯人に暴行を受け、意識を取り戻した時には犬以上の嗅覚を持つようになり、事件とのかかわりを深めていくのだけど、そのかかわり方や、鋭い嗅覚がもたらす世界観が興味深いです。事件解決のための推理ものではなく、どちらかというと物語としての展開が楽しめます。またなんとなく物悲しさが漂うような、そんなお話でした(といっても、イヤな感じの終わり方ではないですよ!)。

