憂い顔の童子 (講談社文庫)
作者 大江 健三郎
価格 860 円
出版社名 講談社
出版年月 2005/11
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■読者の評価     おすすめ度平均

深い森を探索するように       おすすめ度
取り替え子に続く、魂の物語。
主人公の長江と、長男のアカリ、作家である長江の文学研究者のローズさんが、長江の故郷の森に帰るところから始まる物語は、読者を精神の深い森へと誘ってゆく。
登場人物達に誘われるまま読み進んでいくと、現実とドン・キホーテの世界とを行きつ戻りつする不思議な時空が立ち現れる。
空想と現世の境が次第にぼやけてゆくような感覚。
幾重にも入れ子になったような複雑で深い物語世界に、いつのまにか引きずり込まれてしまった。
まるで懐の深い森を探索したあとのような、読後の痺れるほどの満足感は、この著者ならではのもので、ほかではなかなか得られないと思う。



ちょっとした希望とユーモアと       おすすめ度
内容は「取り替え子」からそのまま続いています。

いろいろな読み方のできる本ですが、
生きていくことの大変さ、をつづった小説です。

生きていることをやめたくなるような憂鬱な気持ちを抱えながら、
いつもどこかにちょっとした希望があって、ユーモアがある、
そんなお話です。