幽界森娘異聞 (講談社文庫)
作者 笙野 頼子
価格 660 円
出版社名 講談社
出版年月 2006/12/15
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■読者の評価     おすすめ度平均

泣けた・・・泣けたよ〜〜〜!!       おすすめ度
森茉莉好きから流れ着いて読みました。
茉莉じゃないのね、とにかく森娘。
森番(編集者小島千加子)にすがりつく、しがみつく森娘。
「のんきなマリア」「美の世界に遊ぶマリア」という
自己をアピールしたかった森娘。
パッパと巴里の思い出を反芻し続ける森娘。
生活能力まるでナシ、食いしん坊の森娘。
まるでストーンズのような
圧倒的なドライブ感で叩き出す言葉が
彼女の、そして著者自身の夢を、歓喜を、孤独を、絶望を、
「書く人、書かずにいられぬ人」の凄絶を
リアルに可憐に描き出していく。
笙野頼子かぁ。これほどスゴイとは知らんかったバイ。
今まで森茉莉のことを書いてるいろんな人ので
ピンときたこと一度もなかった。
(へんなやおい系、うすボケたロマン系ばっか。)
ま、柴田錬三郎なんか踏み潰してるのは当然として(ほんっと下劣だもん!)
あたしがほんっとにイラっとにきてた
中島梓の下劣な侮辱本歌取りを
叩きのめしてあってスっとしたよ、ホント。
笙野頼子、タダモノじゃないね!!さっそく他のも読んでみましょう!!





男親=社会との闘争の視点       おすすめ度
自分はかつて栗本薫(中島梓)のファンで彼女の著作で森茉莉の存在を知りました。しかしそれはあくまでも当時稀少だった同性愛をテーマにした作品の著者というだけで、森茉莉そのものは変わり者の小説家、くらいに考えていました。
この本では中島梓のそんなスタンスが完膚なきまでに粉砕されています。
森茉莉があまりにも巨大だった父、森鴎外にコントロールされていたこと、
それゆえに「お茉莉が泥棒でも大事な娘だ」と思われておらず、父の意を受けて架空の世界で自分を守るために作品をつむいでいたことなど、著者の視点を得てはじめて思い至りました。
森茉莉という仮面を通して著者の実像もよく見えてきます。
父=社会的構造、男根主義的文藝世界と常にまっこう勝負をして圧勝してきた著者ならではの素晴らしい評論であり、オマージュであり、哀悼歌でもあります。

弱きものとされてきたこども、女性、マイノリティからの胸のすくような反逆の書として、私は拍手喝さいを送りたいと思いました。