ひとは情熱がなければ生きていけない(勇気凜凜ルリの色) (講談社文庫)
作者 浅田 次郎
価格 470 円
出版社名 講談社
出版年月 2007/04/13
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■読者の評価     おすすめ度平均

標題通り、浅田次郎の生きざまを記したエッセイ       おすすめ度
浅田次郎のエッセイ集です。「ひとは何に生きがいを見つけるのか」という章では、私の小説家への道と題し、学而、寂寞の庭にて‐三島由紀夫の戦場という、彼が小説家になりたかった思いの全てを記しています。特に個人的に師事した三島由紀夫への憧憬はここに表出しており、憧れの存在の生きざまに言及していました。

「後輩諸君」(私の人生観)では、1999年10月13日、母校の駒場東邦高校の後輩たちに真摯にその歩みを語りかけたのを文章化したものです。母校の先輩として、また人生の先達として、若い人への言葉は生徒に対して優しく、辛かった青春の思いを吐き出していました。

「男の本領について」(私の自衛隊経験)は、2001年4月18日、自衛隊市ヶ谷駐屯地での講演をまとめたもので、まさしく浅田次郎が自衛隊に入隊していた頃の体験を後輩たちに伝えたもので、大変興味深いものでした。守秘義務がある特殊な自衛隊ですから、よく知らない実態を知るのにも好都合でした。

これらのエッセイは、1998年から2003年にかけて、『小説現代』『文学界』『小説新潮』などの各種の雑誌に掲載したものを1冊にまとめたもので、浅田次郎の人生観や価値観がかなり色濃く反映されたものになっています。小説家ですが、エッセイストとしても定評があり、本書の副題も「勇気凛凛ルリの色」と、一連のエッセイのシリーズ名をつけています。
ただ、個人的な感想ですが、売れっ子作家ですので、1990年代半ばのように勢いのある文章が少し影を潜めているようで、そのあたりは多忙ゆえのせいだと理解しています・・・。


てめえの人生にも、浅田次郎くらいの“情熱”を持って生きねば!!       おすすめ度
著者の“情熱”が、淡々とした文章からですが、それこそ“熱く”伝わってくる、素晴らしいエッセイ集だと思います。

特に、著者の持つ「作家」という職業への憧れの力の強さに、敬服します。
男子たるもの、てめえの仕事や人生に、これっくらいの“情熱”を持って生きてえ!!
と、強く思います。
そういう意味でも、若者に薦めたい一冊です。


鉄道屋の百倍面白い       おすすめ度
ぶっちゃけ、これエッセイじゃないでしょ(笑)だって面白すぎますもん。
浅田先生は「人を泣かすのは経験と技術、人を笑わすのは天賦の才」と語っていた様な…文字通りその言葉を体現した傑作ですよね!
個人的には極めて多作な浅田文学の三大代表作の一つだと思います(あと二つはきんぴかと歩兵の本領…壬生義士伝も捨てがたいけど)。
先生は本作品の最終章にて「きっと,必ず,いつか又再開する」なる一部のファンには心強いお言葉を書き添えてくれておりますが,果たして現実となるのかどうか?
我等マイノリティファンの為、どうか宜しくお願いしますね、先生(^人^;)


実利面でも楽しみがあるエッセイです。       おすすめ度
遊びや仕事や生活といった人生を彩る情景について
過去から現在・未来まで描かれているエッセイです。

この中で、作家を以下の2つに分類している項があります。
 「嘘話を構築する」
 「現実の事件を脚色しなおす」
嘘・事件という言葉を除けば、執筆という括りで
全てのビジネスマンに当てはまるものでしょう。
そして、これら2つをこなすことが求められている。
大変な世界に足を踏み入れてしまったものです。

他の掲載内容では文章作法や仕事の片付け方(手順)も
役に立つでしょう。
実利面でも楽しみがあるエッセイです。


著者のファンなら一読の価値あり       おすすめ度
本書は1998年で終了した「勇気凛凛ルリの色」シリーズの後に、様々な雑誌に掲載されたエッセイ集です。三島由紀夫論もあれば、すでに文庫本で発売された本の解説になるようなエッセイもあります。著者の真面目なのか破天荒なのか分からない性格が確認できる作品群です。その性格の切り替えに利用している旅行の話もありますが、説得力に欠ける笑い話となっています。
いずれにしても著者の本のファンなら、「勇気凛凛ルリの色」シリーズと同様、一読の価値があります。