ただマイヨ・ジョーヌのためでなく (講談社文庫)
作者 ランス アームストロング
価格 800 円
出版社名 講談社
出版年月 2008/06/13
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■読者の評価     おすすめ度平均

癌で戦う人たちのための本       おすすめ度
 アームストロングが引退して後からツールドフランスなどのステージレースのファンになり、この本がとても気になっていました。
 ところが、内容は壮絶な闘病記!(想像を絶する薬の副作用・家族の苦しみ・本人の絶望)私の父も母も祖父も祖母も癌で亡くなりましたが、癌のことは良く知らないし、また知ろうともしませんでした。
 医療関係の方が書いた癌についての詳細な本よりも、癌とはどういう病気かが良く分かると思います。著者も癌を良く知ってもらうことを望んでいて、世界の癌患者への応援歌としてのメッセージを発信しているのだと思います。
 ランスの腕白な少年時代の話も読む価値のあるエピソードだと思います。


母と息子の絆は癌をも倒す       おすすめ度
「サクリファイス」にて自転車競技に興味を持ち、本書を手に取った。
ランス・アームストロングという名前ぐらいは聞いたことあると思ったが、それはルイ・アームストロング、もしくはアームストロング船長だったかもしれない。

とくかく、ランスは強い。体も、心も。
そして、なぜに外国人はここまで露骨に母親への感謝を述べれるのであろうか?
日本人はちょっと恥ずかしがると思う。

逆に、それが強さの秘密では?


癌とヨーロッパ文化の壁を相手に闘った男の記録       おすすめ度
この本はランス・アームストロングが自転車選手として一流になるまでの足跡を辿ったものではない。生存率の極めて低い癌を克服した男の記録である。

ツール・ド・フランスは世界で最も美しく、その過酷さにおいてはフルマラソンを凌ぐスポーツだと思う。確かにF1ほど華麗ではないし、オートバイレースのスピードにもかなわない。でも、ここには日本の国技である相撲にも似た伝統が息づいている。

アームストロングは〈ツール・ド・フランスは単なる自転車レースではない。それは試練だ。ツールは僕の肉体を試し、精神を試し、そして道徳的にも僕という人間を試すのだ〉と書いている。彼はヨーロッパの文化と対峙し、このように学んだわけだ。しかも、彼は癌という分厚い壁とも闘った。

彼はツールの覇者という肩書よりも癌生還者の肩書を選ぶという。なぜなら癌が〈人間として、男として、夫として、息子として、父親としての僕に、かけがえのないものを与えてくれた〉からだという。

本書を読めば、こみあげてくる感動と共に、この言葉をごく自然に受け入れることができるはずだ。

アームストロングの快挙に対してフランスは必ずしも手放しで賞賛したわけではない。終始ドーピングの疑いがかけられた。この問題に関してはツール関係の本に力を入れている未知谷の新刊『ジャン=マリ・ルブラン総合ディレクター ツールを語る』がたいへん参考になる。

(単行本へのレビューを転載)


自転車の本であり、癌の本でもある。       おすすめ度
単行本発行時から気になっていたのですが、文庫化を機に読みました。
スポーツ選手の書いた本の中では、近年読んだ中でも1、2を争う良書だと思います。
ヨーロッパでは人気の自転車競技ですが、日本ではまったくのマイナースポーツ。
著者が活躍する前のアメリカでも状況は似たような感じだったのでしょう。しかし、
今ではマイケル・ジョーダンやタイガー・ウッズと並ぶ人気と知名度を誇っています。
そのトップアスリートが、癌に冒され命の危機に瀕していたというのですから、
驚きとともに非常に興味を掻き立てられました。
この本は、昨年以前に読まなくてよかったです。
なぜなら、今年家族が癌の手術を受けたから。そうした状況で読むことで、一層の
共感と関心を持つことができたからです。周りに癌について悩んでいる人がいるなら、
この本をすすめてあげてください。苦しみをやわらげる、一つのヒントにはずです。
多面的な読み方ができるので、★5つ。