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■読者の評価
おすすめ度平均
うつし世は夢、夜の夢こそ真 おすすめ度
三津田信三のデビュー作「ホラー作家の棲む家」を改題し、
改訂された「完全版」として文庫化されたもの。
まず、なんといっても「忌館」は怖い。
暗闇への畏怖が、見てはならないものへのあくなき好奇が、全体を覆っている。
本の中に本が登場する手腕は、夢野久作「ドグラ・マグラ」を髣髴とさせつつも、
交互に差し込まれる小説の中の小説と、小説の中の現実は、
次第に境界線が失われてゆき、読者は作家の目眩ましに遭う。
それゆえ、ラスト間際の「謎解き」は難解を極めている。
じっくり腰を据えないと先述した「目眩まし」に翻弄されるからだ。
本文後に追記された「跋文」そして「西日」まで完璧な構成になっているが、
これらは決して解題ではなく、謎はより深くなる。そんな点も見逃せない。
また、この小説は作者「三津田信三」の体験記として綴られているため、
本文内には実際に活躍している作家や評論家の実名も出てくる。
しかし、「そうではない作家」の名前もしれっと紛れ込んでいる。
どこからどこまでが虚なのか実なのか。
翻弄されることを楽しむのも、また一興。
それにしても三津田氏は、ほんとうに乱歩が好きなんだなぁと思った。
乱歩が好んで記していた言葉「うつし世は夢 夜の夢こそ真」、
これがこの小説のテーマなのではないだろうか。
吸い込まれるような真っ暗な夜空や、暗闇の茂みが姿を消しつつある現代に、
三津田信三が執拗なまでに表現した「闇」はどこまでもいとおしく、
そして恐れおののくべき存在だと思った。
改訂された「完全版」として文庫化されたもの。
まず、なんといっても「忌館」は怖い。
暗闇への畏怖が、見てはならないものへのあくなき好奇が、全体を覆っている。
本の中に本が登場する手腕は、夢野久作「ドグラ・マグラ」を髣髴とさせつつも、
交互に差し込まれる小説の中の小説と、小説の中の現実は、
次第に境界線が失われてゆき、読者は作家の目眩ましに遭う。
それゆえ、ラスト間際の「謎解き」は難解を極めている。
じっくり腰を据えないと先述した「目眩まし」に翻弄されるからだ。
本文後に追記された「跋文」そして「西日」まで完璧な構成になっているが、
これらは決して解題ではなく、謎はより深くなる。そんな点も見逃せない。
また、この小説は作者「三津田信三」の体験記として綴られているため、
本文内には実際に活躍している作家や評論家の実名も出てくる。
しかし、「そうではない作家」の名前もしれっと紛れ込んでいる。
どこからどこまでが虚なのか実なのか。
翻弄されることを楽しむのも、また一興。
それにしても三津田氏は、ほんとうに乱歩が好きなんだなぁと思った。
乱歩が好んで記していた言葉「うつし世は夢 夜の夢こそ真」、
これがこの小説のテーマなのではないだろうか。
吸い込まれるような真っ暗な夜空や、暗闇の茂みが姿を消しつつある現代に、
三津田信三が執拗なまでに表現した「闇」はどこまでもいとおしく、
そして恐れおののくべき存在だと思った。

