またたび
作者 伊藤 比呂美
価格 1,365 円
出版社名 集英社
出版年月 2000/11
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ふわふわもちもちいいきもち       おすすめ度
 また伊藤比呂美です。なんか目が離せないのです。この人からは。この方の古い友人にして、料理研究家の枝元なほみさんが帯に言葉を寄せていまして 。彼女が食べることを表現すると、とても「本能」というものを直に見たような気がするのです。「本能」ですから、それはある意味において官能的ですらあります。この側面はもちろん彼女が詩人だからでしょうし、摂食障害を体験しているからでもあるでしょう。 それで・・・私が「目を離せない」と感じるのはここなんです。以前、「ファースト プライオリティ(最優先事項)は?」と訊かれて「本能」と答えた私です。それ故、どこか面白いんです。この方はいつも。 食べたことのないものや、何をどう料理したのか想像もつかないものをいつもどこでも食べたいこれは明らかに、単に「美味しいものを食べてみたい」という感覚とは異なります。

お米がちがうのです。いいごはんの炊きたてを少しのつくだにや漬物で食べますと、「ああ、無垢な心ですね。ねとねとまつわりついてくるのも、自分は愛されているということをつゆ疑わない無垢さなんですね」などとコメントしたくなります。そこらに売っている米じゃだめで(伊藤さんはカリフォルニア在住)日本食料品店で買わなくては!という話なんです。日本米は美味い!こういう話。

 だって不思議なんです。本能にまつわることって。

 睡眠にも興味ありますし、ご存知のように性にも興味があります。食べることそのものには、あまり執着しませんが感覚には執着します。ビールのシュワシュワが好きだし、ねとねとも好きなんです。変わった食べものを見るととりあえず口に入れてみたくなります。食べられるものが生えていたり、泳いでいたり、落ちていると狩猟したくなります。感触が気持ち良さそうなものを見ると触れてみたいと思います。刈上げた頭とか、湧き水とか、雪とか、赤ん坊とか。○の○とか。まさに本能優先。 おいしそうな部分があると同時に、食べる行為を顕微鏡で見るように手探りで言葉にしているので、グロテスクでもあるかもしれません。そうなんです。彼女の本にはいつも「グロテスク」が待ち受けています。それが面白いのかもしれません。

 この本の最後に、気球で空を飛んでシャンペンを飲む話が出てきます。気持ち良さそうでした。「一度は空を飛んでみたいものだ」と思っていましたし、羨ましかった。くじらウオッチングも出てくるんです。これもしたいー。いえ、もう、するつもりです。 たらたらと、女友達の話を話を聞いている感じです。私には、びびびと来るのですが、ダメな人はダメかも。ある種、特殊な感覚ではあるかもしれません。