笑う招き猫 (集英社文庫)
作者 山本 幸久
価格 580 円
出版社名 集英社
出版年月 2006/01/20
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■読者の評価     おすすめ度平均

ネタに期待するのではなく       おすすめ度
お笑いそのものではなく、笑いを通しての二人の成長が描かれていて、ネタは披瀝されていませんでした。なので、このコンビの漫才がどれほどの面白さなのかがいまいち分からずまたそれが良かったのかも。


爽快な青春小説       おすすめ度
漫才コンビ【アカコとヒトミ】の初舞台からの一年を描いた成長と友情の物語。

天真爛漫で豪快そうな性格に見えて、実は小心者で甘えん坊のアカコ。
そんなアカコに振り回されながらも、やる時はやるタイプの主人公ヒトミ。
このコンビが凄い良いキャラしてて面白かった!。

セクハラして来た先輩芸人をアカコがブン殴って大事になったり、
貧乏なヒトミがボロボロな自転車の荷台に相方を乗せて、東京中を移動したり。

勿論漫才コンビならではの、ネタを練り上げて初めて爆笑を取ったり、
事務所の方針と自分たちの進みたい方向性とのギャップに悩んだりのシーンが
しっかり描かれてるので、読んでる内に応援したい気持ちになる。

その想いは彼女らの周辺の人達も同じようで、マネージャーや、
アカコの祖母(この人の粋な振る舞いが素敵です)など脇役が、
真っ正面から2人に関わってくるのもリアルで良いです。笑う招き猫ってタイトルの通り、
読み終えた後ニコニコと唄い出したくなるような、爽快な一冊。是非、どうぞ。


笑門来福       おすすめ度
元気を取り戻そう。笑いを取り戻そう。そんなときに読みたい本。
へこたれているのは似合わない。愛もいいけど、夢や友もいいものよ。
うまくいかないときにはケンカもするし、相手にうんざりすることもある。
だけど、息があうのだ。やっぱり、漫才をやっているときが楽しいんだもの。
相手に出会ったから、今の自分があるわけで。
出会ってしまったらしょうがないものが、この世の中にはあるのだから。
大人の事情や業界の事情もいろいろあるなかで、原石のような二人がいつまでもきらきらと輝きを忘れないように。
そう願いながら見守りたくなる。この二人のしあわせを。


ほっこりとさせる小説です       おすすめ度
主人公は女性漫才師、身長180を超えるヒトミと、150以下のポッチャリ体型のアカコ。

二人が初舞台を踏み、それからの一年を描く青春小説。

この本は第16回小説すばる新人賞を受賞した作品です。

非常に読みやすく、サクサクとページを進めることができました。

途中、カットバックがあり、二人の出会うきっかけや、過去も語られ、違和感なくスムーズに物語の世界へ入っていくことができます。

とにかく、暗くならず前向きに読み終わることができる小説だと思いました


二人の女と招き猫の青春       おすすめ度
過剰なほど自分に自信を持てるのは若い証拠だと思う。
この物語の主人公、『アカコとヒトミ』がまさしくそうだ。二人揃って年齢は三十路一歩手前、独身で、職業は若手の女性漫才師。良く言えば知る人ぞ知る、悪く言えば名の売れていない彼女達は、それでも自分達の漫才に少なからぬ自信を持っている。初舞台で大いに失敗しても、それを跳ね返して有り余る程の自信と、夢に向かって疾走できる強靭さ。それらを兼ね備えた『アカコとヒトミ』の日常、そして苦悩は、まさしく青春そのものだ。
事務所の先輩とのひと悶着、同僚の家庭事情、自身らの今後の身の振り方。二人の周囲で起こる事件や騒動は大人のくすんだ空気を醸していて、一般的に“青春”と呼ぶべき学生時代に経験し得る事ではない。けれどそれに立ち向かう彼女らがまさしく青春の只中にあるので、くすんだ事件すらも後ろ盾無い明るさと熱っぽさで解決してしまうのだ。それが何だか小気味良い。或いは解決出来ぬまま自然的に消滅してしまうもやもやとした心持ちも青臭くてどこか懐かしかった。


アカコとヒトミ、金ピカラッキョー、乙、永吉、はては事務所の社長まで、この作中で描かれるキャラクターはそれぞれ、地味だけど強烈な個性を持っています。まるでこのキャラクター達が、プロダクションがどこかに実在しているかのようで。原宿や渋谷、南青山などといった地名が頻繁に出るのも同じくリアリティを感じられて、個人的には好みです。読む人を選ぶ小説にはなりそうですが、青春物がお好きな方は宜しければご一読頂けたらなと思います。広めたい作品です。