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■読者の評価
おすすめ度平均
おう、女の僻みってやつよ! おすすめ度
エリート商社の駄目駄目サラリーマンミタゾウ、怪しげなイベント会社経営者ヨコケン、ドーベルマンを護衛に連れたセクシーな謎の美女クロチェ。3人の25歳がふとしたことからタッグを組んで、美術詐欺にまつわる大金10億をせしめようとする本作。エンターテイメント作品としては一気に読ませてくれてまあまあ楽しめる。しかし謎の美女なるクロチェの性格が悪い。「同性の友達いないんだ」と彼女が吐露する台詞ももっともだと思ってしまう。だって自己中だもん。よく言えば自分の感情に素直ともいえるのかもしれないけど。なのに弟想いで、勝気で我儘なように見えて結構やさしいところもあるという設定になってるので余計に共感できない。あ、でもラストは好き。クロチェはこうでなくっちゃって終わり方になってます。
陽気で愉快な人間たちが繰り広げるハチャメチャな事件簿!一気に読めるところが魅力か? おすすめ度
当然のことだが、ファンである作家の作品はできるだけ読んでおきたい。しかしすべての作品が納得できるものとは限らない。好きな作家だからこそ遇えて厳しい目線で評価することも大切だ。本書は『マドンナ』のあとに発表された長編小説で、偶然知り合った3人の仲間(最終的にはそう呼んでいいだろう)が10億円強盗を目論む痛快事件簿といった内容である。しかし「事件簿」というわりにはあまりスリル感には満ちていない。毒がなく、気楽にそして一気に読める作品ではある。
北上次郎氏が書いている巻末の「解説」には、ある奥田作品を称して、「どの短編も長編になりうる濃さを持っていて、それを短く切りつめているから、それぞれのドラマがどんどんあふれて読者のなかに入ってくる」という評価が記載されているが、たしかに先日読んだ『マドンナ』などはそういう趣向があった。「締められた作品」とでもいうのであろうか。分量的にも内容的な濃淡さにも絶妙な工夫が施されている。本書は長編であるが、何となく「この種の作品はこれで終了にしてほしい」というやや消極的な印象をもってしまった。もちろん笑えるし面白いし、読みながら早く結末を知りたいと強く思ったことも事実である。しかしピンとこない。たぶんそれは本書で登場する主人公らの性格=キャラクターに好感がもてないからだろう。ミタゾウはまだしも、ヨコケンとクロチェはあまり好きになれないタイプの人間であった。特に前者はそうだ。そうであれば、いくら奥田英朗の作品であるとはいえ、評価は厳しくなる。こういう主人公の人物造形を設定したのは他でもなく著者自身なのだから・・・。
とはいっても奥田氏の作品だ。最後はうまく仕上げている。最後まで読んだ人は、意外と「クロチェファン」になってしまうような気もする。ミタゾウはあの手紙で更に株を上げたのではないか。「真夜中のマーチ」というよりは、「真夜中のギャング」といったほうが私にはすっきりしたが、細かい情景描写や人間心理を的確に綴る才能にはあらためて敬服した。私はまだ彼の大作を読んでいないゆえ、奥田作品の真髄を知らない。ファンとしてはあまりにも不十分であるし、このことは私自身が自覚しているところでもある。いつか読んで彼の作品の醍醐味をもっと肌で感じたいと思っている。奥田英朗という優れた作家に出遭えたことに今は感謝したい。
北上次郎氏が書いている巻末の「解説」には、ある奥田作品を称して、「どの短編も長編になりうる濃さを持っていて、それを短く切りつめているから、それぞれのドラマがどんどんあふれて読者のなかに入ってくる」という評価が記載されているが、たしかに先日読んだ『マドンナ』などはそういう趣向があった。「締められた作品」とでもいうのであろうか。分量的にも内容的な濃淡さにも絶妙な工夫が施されている。本書は長編であるが、何となく「この種の作品はこれで終了にしてほしい」というやや消極的な印象をもってしまった。もちろん笑えるし面白いし、読みながら早く結末を知りたいと強く思ったことも事実である。しかしピンとこない。たぶんそれは本書で登場する主人公らの性格=キャラクターに好感がもてないからだろう。ミタゾウはまだしも、ヨコケンとクロチェはあまり好きになれないタイプの人間であった。特に前者はそうだ。そうであれば、いくら奥田英朗の作品であるとはいえ、評価は厳しくなる。こういう主人公の人物造形を設定したのは他でもなく著者自身なのだから・・・。
とはいっても奥田氏の作品だ。最後はうまく仕上げている。最後まで読んだ人は、意外と「クロチェファン」になってしまうような気もする。ミタゾウはあの手紙で更に株を上げたのではないか。「真夜中のマーチ」というよりは、「真夜中のギャング」といったほうが私にはすっきりしたが、細かい情景描写や人間心理を的確に綴る才能にはあらためて敬服した。私はまだ彼の大作を読んでいないゆえ、奥田作品の真髄を知らない。ファンとしてはあまりにも不十分であるし、このことは私自身が自覚しているところでもある。いつか読んで彼の作品の醍醐味をもっと肌で感じたいと思っている。奥田英朗という優れた作家に出遭えたことに今は感謝したい。
ミタゾウのキャラクターがよかった おすすめ度
とにかくおもしろかった。賭場からお金を強奪しようとするところにも2重、3重と仕掛けがあり、さらに10億円を巡っての白鳥、やくざ、中国マフィアとの駆け引きは手に汗握るおもしろさだった。個人的にお気に入りだったのはミタゾウのキャラクターである。過集中症で1つのことしか考えられないミタゾウは会社ではダメ社員で、喫茶店に入ると必ずコーヒーをこぼしてしまうような男だが、そんな彼が強奪案を考えたり、ピンチのときに機転をきかせたりと大活躍だったので、読んでいて思わず応援してしまった。
手紙は秀逸 おすすめ度
第1章を読んでいる時、主人公の人間性に嫌悪感を覚え、途中でやめようかとも思っていました。
が、章ごとに主人公が変わり、後半は予想もしなかった展開にページをめくるのももどかしくなりました。そして締めくくりの「手紙」は秀逸です。
とても面白い小説です。
が、章ごとに主人公が変わり、後半は予想もしなかった展開にページをめくるのももどかしくなりました。そして締めくくりの「手紙」は秀逸です。
とても面白い小説です。
スカッ!と気持ちいい、ズッコケ三人組のギャングコメディ おすすめ度
しがないパーティー屋からのし上がろうと野心を抱く、チンピラ起業家の「ヨコケン」。
驚異的な集中力を持つゆえに、仕事のできないダメ会社員「ミタゾウ」。
一生遊んで暮らしたいと願う、あこぎな成金美術商の娘「クロチェ」。
個性的でアンバランスな三人組が、やくざや中国マフィアを向こうにして、10億円の強奪をねらう。
展開に意外性とスピードがあるので、読み進めることが爽快。非現実的でお気楽な筋に気持ちよく入り込める。楽しい。
登場人物も主人公三人をはじめ、やくざの「フルテツ」、ダメな弟「タケシ」、倣岸で豪胆な「白鳥」など、物語を味わい深く演出するキャラが目白押しで、うまくそれぞれの役を演じている。中華料理店の支配人もいいね!
裏の世界に生きる、いわゆる悪人たちのクライムノヴェルであるけども、ノリは軽く、雰囲気は決して深刻にならないので、どんな人間も実は善人で、世の中に真の悲しみや痛みは無いんじゃないかと錯覚させられる。その錯覚が、「世界の在り方が本当にこんなんだったらユカイだね!めでたいね!」と思わせてくれて、何だかストレス解消になる。スカッとする。
日常の瑣末なことを忘れて、没頭できます。
驚異的な集中力を持つゆえに、仕事のできないダメ会社員「ミタゾウ」。
一生遊んで暮らしたいと願う、あこぎな成金美術商の娘「クロチェ」。
個性的でアンバランスな三人組が、やくざや中国マフィアを向こうにして、10億円の強奪をねらう。
展開に意外性とスピードがあるので、読み進めることが爽快。非現実的でお気楽な筋に気持ちよく入り込める。楽しい。
登場人物も主人公三人をはじめ、やくざの「フルテツ」、ダメな弟「タケシ」、倣岸で豪胆な「白鳥」など、物語を味わい深く演出するキャラが目白押しで、うまくそれぞれの役を演じている。中華料理店の支配人もいいね!
裏の世界に生きる、いわゆる悪人たちのクライムノヴェルであるけども、ノリは軽く、雰囲気は決して深刻にならないので、どんな人間も実は善人で、世の中に真の悲しみや痛みは無いんじゃないかと錯覚させられる。その錯覚が、「世界の在り方が本当にこんなんだったらユカイだね!めでたいね!」と思わせてくれて、何だかストレス解消になる。スカッとする。
日常の瑣末なことを忘れて、没頭できます。

