となり町戦争 (集英社文庫)
作者 三崎 亜記
価格 500 円
出版社名 集英社
出版年月 2006/12
Amazonの詳細ページへ

  この著者の他の作品を検索する

著者名をクリックすると、この著者の他の作品を検索することが出来ます。

書名か表紙写真をクリックすると、 Amazon.co.jp の詳細ページに移動できます。

商品を購入する際は、移動先の Amazon.co.jp の購入ページにて、商品価格・在庫の有無や納期をよくご確認のうえ、お手続き下さい。



■読者の評価     おすすめ度平均

評価が分かれる作品なのですね。       おすすめ度
 小説二度目読みました。皆さんのレビューを見ると評価が分かれる作品なのですね。私はとても好きでした。なぜなら、私が小説を読む理由は1)別世界に連れていってほしい2)楽しみたい3)メッセージ性がほしい(この場合、見えない戦争の恐怖)なので、魅力的な設定とキャラクター、それに小物(役所の書類など)もあり満足しました。
 おたくという感じはせず、普通の世界がちょっと異常な方向にずれるというか、そのずれ具合がとても良かったです。
 楽しいだけの小説は後に何かが残らないので、作者が伝えたいメッセージというのを受け取りたい。それもちゃんと受け取れたので、私には満足な本でした。


単行本で良かった       おすすめ度
戦争という血なまぐさい状況に相反し
相変わらず役所は役所然としているし
日常は日常として続く。
ノンポリの一般人は自分の身に災いが降りかからない限り無関心だし
権力にあやかることに執心な者はどこでも必死だ。

別に戦争という定義が無くても
交通事故やら殺人やら、強盗やら、医療事故やら自然死やら孤独死やらで人は毎日大量に死んでいる。

そんなことを描きたかったのだろうけど
あまりにも筆致が稚拙で飽きるし
リアリティのない戦争を描くにしても
無さ過ぎていつ「実は夢でした」と言ってくれるんだろうかと
じりじりした。
戦争を透明感のある(=リアリティがない)文章で書くことはタブーだと思うのです。

着眼点とタイトルと、装丁だけが良かった。
単行本で買って良かったです。


現代社会、官僚体制への皮肉       おすすめ度
ある日突然、回覧板「町のおしらせ」と共に戦争が始まった。

お役所的でまるで中身がつかめない戦争にしらずしらず巻き込まれていくものの、理由も何もわからず実態をみることもなく「お役所的」にしかし着々と戦争は進んでいく。読んでいると無味乾燥、意味不明瞭のお役所の実態がそのまま反映されているようで非常におかしい。

しかし、戦争でないにしろ、役所が決めたことで知らず知らず自分達の生活が変り、巻き込まれている現代社会、それを戦争という名で皮肉った作品と思えてきた。

戦争を「年金」「保険」「自衛隊」その他さまざま不条理でわからない政治の世界に置き換えてくると違った見方ができる。

小説としての娯楽性はあまりないものの、その独特の視点は評価したい。



読まなくて良い。       おすすめ度
着想は良い。
戦争とは最早私達がリアルな感じるところではない、と訴えていることはわかる。
しかし、何故文庫本刊行に際し、別章を加えたかわからない。自らの小説に自信があるなら、焼き直してサイドストーリーなど今更書く必要はない。
内容については他のレビュー通り、ベッドシーンは「逃げ」にしか見えない。


終始無神経な話でした       おすすめ度
 作中の不条理さが、すべて主人公に都合がよく、ヒロインは主人公に「公務として」身体を差し出し、スパイのおばさんはすれ違った程度の面識しかない主人公を救うために「自ら選んで」犠牲になり、いい加減な偵察しかしていない主人公の報告を「非常に役立った」としながら逃げ回る主人公への指示は敵の配置まで異常に正確に掴んでおりものすごいハイテクと予算の浪費っぷりを見せつけ、ヒロインの弟も含めた市井の人々がゴミ処理場で焼却されている傍ら役所の戦争担当部署が総員で主人公を出迎え……
 主人公の心理的負担を軽くするためのギミックまで至れり尽くせりで、ここまで主人公に都合が良い話も珍しいんじゃないかと思います。ただの快楽殺人者を戦争経験者だから家族を失ってるからと理由をつけて肯定的に描写するに至っては頭痛を禁じえませんでした。
 終盤、ヒロインと主人公が会話をするシーン、あまりにも主人公の言動が無神経で普通の感覚の人間なら怒るぐらいでも生ぬるいのではってぐらいの無神経さなのにヒロインは主人公と寝てしまうし、最初はとても面白い着想の話だなぁと思って読み始めたのですが、読み終わってみたらこの作者は主人公と自分を同一視してるが故に話がここまで主人公を甘やかしているのかなぁと勘繰ってしまうぐらい、なんというか、ひどかったです。