傭兵ピエール〈上〉 (集英社文庫)
作者 佐藤 賢一
価格 740 円
出版社名 集英社
出版年月 1999/02
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■読者の評価     おすすめ度平均

ジャンヌ・ダルクのifストーリ       おすすめ度
 傭兵隊長の冒険活劇.主人公ピエールは善人ではないのだけれど,どこか憎みきれない人間臭い人物として描かれている.そんな彼がジャンヌダルクに引かれ彼女の為に剣を振るうというなんとも分かりやすい王道ストーリー.読みやすさは抜群だ.
 また,著者の他の作品(王妃の離婚や双頭の鷲等)と比較して際立っているのは登場人物が生き生きとしている.荒くれ物ぞろいの傭兵隊の中で発揮されるそれぞれの個性を楽しむのも良いだろう.


うまくまとめすぎ       おすすめ度
基本的にエンタテインメント性の高い歴史ロマンだと思うが、下巻の終わりの1/3が、結末をうまくまとめるがための牽強付会の展開になっていて、読後感があまり良くない。

主人公ピエールは盗賊として、ためらい無く数々の悪事を働いてきてもいるのだが、その悪の部分の描写が具体的でないためか、「いい人」と言うイメージが強く出てしまっている。傭兵隊No.2のジャンや会計役のトマも、最後の方になって、それまでのイメージとかなり違ってくるのだが、このへんの人物描写も不自然な感じがする。

うまくまとめたことが、かえって悪い結果を招いたのではないかと思える作品である。
(これは上下巻を通してのレビューです。)


心に残った本       おすすめ度
“倒れたくなる。挫けたくなる。けれど、ドゥ・ラ・フルトが直立して揺るがなかったように、ピエールも足を踏ん張って生きた。”
 
未だに追いつくことのできない父の背中を思い出し、私はこの作品に、ピエールの生き方に強く感情移入してしまった。
 
百年戦争のフランスを背景に、傭兵として生きるピエールが生まれ育った境遇に抱いていた誇りと孤独はあまりにも生々しく、私が感じるこの作品の魅力は彼の人間臭さに集約されている。

佐藤賢一の筆力の真髄はこの作品にあると思う。


本当のジャンヌダルクはこうだったのかも・・・       おすすめ度
フランスの聖女ジャンヌダルクと主人公を中心とし、さまざまな男女が明るく、生活感あふれ、時には激情に流され、戦乱の時代を駆けていきます。そして物語はラ・ピュセル処刑場へ!
教科書とは違う世界がここにあります。でもひょってして本当は?
最後の1ページまでひきつけられた本でした。


人物描写が深いかは 疑問ですが       おすすめ度
マンガにもなったし、宝塚でもかかりました。私の読んだ この人の本のなかでは わかりやすくて また面白くて 泣ける作品 

ただ 最後のほうは あのまま ハッピーエンド 王子様とお姫様は 幸せに暮らしましたで なんで駄目なのかな?それが疑問。

中世のフランスの描写はいききとして さすが 歴史学徒としても伊達ではないです。日本の中世も ここまで描ける人はいないか?要素はいくらでもあるのに