書く前に読もう超明解文学史―ワセダ大学小説教室 (集英社文庫)
作者 三田 誠広
価格 540 円
出版社名 集英社
出版年月 2000/06
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■読者の評価     おすすめ度平均

書きたい人にも読みたい人にも役立つ内容       おすすめ度
高校時代に使っていた文学史のテキストは人物の名前の羅列ばかりで、開いただけで嫌になった記憶がありますが、この本は講義形式で、当時の社会背景なども踏まえてわかりやすく解説してありますので、予想以上に面白かったです。

もともと、過去の名作を読んでみたくなったのでこの本を購入したのですが、読む作品をしぼる上で、大変参考になりそうです。今度は、それぞれの作品を読みながら解説を読み直してみようと思います。

小説を書きたい人だけでなく、ただ近・現代の代表的な作品を読んでみたい人にもおすすめです。


ブックガイドとしてもお薦め!       おすすめ度
著者が早稲田大学で行っている小説を書くための講義をまとめたもの。「明解」とのタイトルに違わず、明治以降の日本文学の流れが非常に判り易く解説されている。
自然主義の受容を起源として始まった日本近代文学は、私小説的な小説の発展を中心に歴史を重ねる。戦後、実存主義などの力を借りながら、大江健三郎、中上健次ら「横綱級」小説家を得て現在に至る(1990年代中頃までの主要な作家までをフォローしている)。
非常に判りやすい理由の一つは、言及している作家に対する文学史的評価を著者が極めて単純に行っているためだろう。本書を読めば、文学史的意味においてどのような作品がどのような理由で重要なのかが少なくとも判り、そして作品を読みたくなる。
私は元々「日本文学盛衰史」(高橋源一郎著)の予習教材として本書を読んだのだが、その目的にはやや荷が重かったようだ。しかし、今後の読むべき作品を選ぶ視野を得ただけでも、望外の収穫だった。


わかりやすい現代日本文学史       おすすめ度
近代・現代の日本文学史について書かれた本です。特に第二次世界大戦後の現代文学に重点がおかれており、主要な作家を網羅しています。現在活躍している作家が、どのような「世代」に属し、どのような作品を書いているかが簡潔明解に解説されています。

大学での講義がベースになっているため、わかりやすくかつ読んで面白い構成になっており、初学者のための現代文学史解説書としても役立つでしょうし、これから現代日本文学を読んでみようという人の読書ガイドとしても好適だと思います。



文学史としては明解な解説が面白い       おすすめ度
日本文学史をひもときながら、次世代の文学がどう有るべきかを予見し、小説家になろうとする人に助言を与えようとしている。つまり、どのような形式の小説が今後の主流になるかを考察し、それを薦めている。

本格的に文学を考えて小説家になろうとする片には、一考に価する内容だと思う。文学史としては明解な解説が為されて面白いが、一般の読者が興味を持てるかどうかはわからない。



書かなくても読もう       おすすめ度
小説を書きたい人のための書き方講座、ということに一応はなっていますが、そんなことには全く興味がない人にもおすすめです。文学史と言えばたいして説明もされずただただ暗記させられた、という人が多いのではないでしょうか。この本に関してはそのようなことはありません。なぜその時期にその作品が書かれたのか、社会的状況との因果関係から三田さんが語ってくれ、読み物としての面白さがあります。また、当然の事ながら、たくさんの作家・作品が紹介されるので、新しい本との出会いになること間違いなし。ただ、講義の再現ということで、まさに「語る」スタイルなのですが、そのあたりで好き嫌いが分かれてしまうかもしれません。特に受験生は学参の『実況中継』シリーズを連想するかも。何はともあれ一読を。読めば必ず読んで良かったと思うはずです。