天帝妖狐 (集英社文庫)
作者 乙一
価格 460 円
出版社名 集英社
出版年月 2001/07
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■読者の評価     おすすめ度平均

残酷で綺麗       おすすめ度
天帝妖狐は乙一作品の中でもグロテスクな作品に分類されると思います。
しかし、残酷な描写と同等の切なさや儚さも含んでいると感じます。
個人的には最後の夜木の独白に、とてつもなく胸を締め付けられます。


私にとっては考えさせてくれる作品       おすすめ度
この作品を「ひとつの作品」として評価します。「物語」としては良い小説だと思います!『A MASKED BALL』と『天帝妖狐』、共通するものは「読んでいるうちに引き込まれる」事です。『A MASKED BALL』は少々冷めた主人公視点で展開すると同時に事件・謎解き要素が含まれていきます。『天帝妖狐』は主人公・夜木とヒロイン・杏子の視点で書かれている事で引き込まれてしまいました。初期の乙一作品の中では一番好きな小説です。


落書きしてはいけません←落書きしてんじゃん       おすすめ度
『天帝妖狐』です。
中編二本です。ホラーというよりはミステリーっぽい、トイレの落書きを扱った『A MASKED BALL』と、ダークホラーの表題作です。

乙一の作風の広さ、ですね。
『A MASKED BALL』は、現在ならばインターネット上で起こることを、あえてアナログなトイレの落書きとして扱うところが心憎いです。
犯人の正体よりも、巻末の解説で我孫子武丸が言及している、真面目に悩んでいたあの人物の正体の方が印象的でした。

書簡体『天帝妖狐』は、本当にホラーです。
自動車部品鉄工所の煙の黒さがにおいそうな雰囲気の中で、悲しい宿命の主人公と、ヒロインの触れあいが微妙に絶妙です。


乙一作品で一番好きかも       おすすめ度
最初はつまらないと思った('・ω・`)
でも意外や意外。
一番好きかも。
乙一のグロ系作品が今まで大好きだったんだけど
これ読んだら号泣した(';ω;`)
すごく切なくて、物悲しくて、妖しくて、大好きです。


孤独を慰撫する       おすすめ度
触れる。触れられる。
ただそれだけが、自分にとっても他者にとっても、自分が存在していることが確かめる手段だ。
表題作は怪異の物語であるけれども、他者と折り合いがつきにくく、なかなか周囲になじめぬ体験をしている人に、そうっと触れて慰めるようだ。タイトルから想像したものとは違っていたが、端整な日本語でつづられており、大人びて落ち着いた趣がよい。
「落書きをしないでください」と書くのも落書きじゃないか、という矛盾を利用した「A MASKED BAWL」も、巧妙な作りの中篇だ。解説を読むまでもなく、トイレの落書きを用いたところが面白い。
悪気のない加害者や被害を見ない加害者、加害者から見えない被害を書かせると、この人はうまい。